【浦添】県建設業協会浦添・西原支部(名嘉謙支部長)は26日、浦添市役所に儀間光男市長を訪ね、車道と歩道の間に自転車専用レーンを設ける「ECR(エコサイクルロード)おきなわ構想」(仮称)を提案した。慢性化する交通渋滞の緩和策として、環境に優しい新たな都市交通の整備方法を具体的にまとめたもので、業界のユニークな取り組みとして注目されそうだ。
公共工事が減少する中、業界として提案型の事業の必要性を模索。自転車愛好家らが観光で沖縄を訪れた際、道路が未整備との声を聞き、昨年末から議論を重ねてきた。
近年、観光などで沖縄を訪れる自転車愛好者は増えている。ただ、県内の道路は歩道に自転車と歩行者が混在する区間が多く、交通事故の危険性が指摘されていた。
提案では、既存の道路脇1・5~2メートルを自転車専用レーンとしてペイント。特別な工事は必要なく、費用も抑えられるという。渋滞緩和や二酸化炭素削減、観光客誘致による経済効果などを見込んでいる。サイクリングマップの作成や駐輪場の整備などハード・ソフト両面の整備課題も盛り込んだ。
その上で、自転車の祭典「ツール・ド・おきなわ」と連携したサイクル観光や、通勤・通学で公共交通に乗り換える「パーク&サイクルライド」を提言した。今後、同協会内で精査し、県や国など関係機関にも提案する方針。
6月に先進地の奈良県を視察するなど検討を重ねてきたという企画委員会の座波隆司委員長は「これまで道路を造ってきたが交通渋滞は緩和されなかった。健康的な自転車を利用することで中心部への車の流入を減らしたい」と話した。
儀間市長は「二酸化炭素削減は大きな課題。市のまちづくり計画に取り入れていきたい」と応じた。