鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は26日、4カ月ぶりの臨時議会の閉会後、市役所で記者会見した。会見場には観光ポスターやTシャツが飾られ、マイクの前に特産の焼酎やボンタン漬けを並べて「阿久根」をアピールする演出。報道機関に事前に提出させた質問から選別して回答するとした一方的会見を設定していたが、関連の質問に答える形で約40分間の質疑に応じた。市長は「議会にかければ不承認でも専決(処分)は有効」と重ねて主張。9月の定例議会も開くかは「白紙」とした。竹原市長の主な会見内容は次の通り。
-仙波敏郎氏を副市長に選任した専決処分は不承認とされたが。
「議会は(私への)不信任で議決すべき当たり前の状態を維持できない。専決でなければ副市長を置くことはできなかった」「専決処分は(議会に)かければ承認されなくても有効であるという総務省の基本的見解にのっとり、今回正式に副市長が確定した」
-不承認とされた14件は無効ではないのか。どう対応するのか。
「全部有効です。有効になっているのにどうしろと、質問の意図が分からない。専決優先で成立するから実行する」
-今後も専決処分を続けるのか。
「どういう方法がほかにあるのかな、専決処分以外に。議会が決めて(市民の暮らしが)良くなればいいですよ。専決はどこの議会でも日常的にある」
-9月の定例議会は開くのか。
「白紙。議会との関係をどうすればいいか考える」
-住民団体の市長リコール(解職請求)運動は署名数が住民投票に必要な約6700人を上回る8420人分が集まった。どう思うか。
「リコール運動してくれることで市政に関心を持ち、署名するにせよしないにせよ、何らかの形で関与するのは素晴らしい。数は関心ない」
-住民投票前に辞職することはないのか。
「選択肢としてはあるが、そんなふうには思っていない」
-4カ月ぶりの議会をどう感じたか。
「前と変わらない。(議員は)何しに来てるのかな。議会は議論するところと思っているのとは全然違う状態なのは間違いない」
=2010/08/27付 西日本新聞朝刊=