高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
260:東金で目撃した陰湿なイジメ…
<2009年12月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>
私がプロレス担当になったばかりの頃、NOWという団体があった。「NOW」とは名ばかりで、まったくもってナウではなく、エースがケンドー・ナガサキ、悪党としてタイガー・ジェット・シンや上田馬之助が参戦していた。
外国人選手も渋い実力派が多く、現在ならばもっと〝通な評価〟を得たことだろう。後にWWEでスーパースターとなるJBLも「ジョン・ホーク」の名で参戦していた。
あれは1993年8月1日の日曜日。NOWの千葉・東金レイクサイドヒル広場大会を取材した時のことだ。
東金出身の〝ミスター〟こと永田裕志の啓蒙活動で一躍、聖地と化した東金アリーナとはJRの線路を挟んで反対側の山頂にある屋外会場。東金駅からひたすらセミの鳴き声がこだまする山道を歩き(途中、ヘビのヌケガラを2度も発見!)、汗ダラダラとなりつつ、やっとこさ会場に到着したものだ。
そろそろ開場時間も近かったが、台風一過の後、ドロだらけとなっていた敷地をナガサキ自らが、ショベルカーを操り整地作業。あとの選手は洗車に精を出したり、日光浴を楽しんだり…。今、考えてもまあ、のん気なモノだ。
そのシリーズに「アジアン・キラー」なる謎のマスクマンが参戦していた。ズングリ体型で、額に「X」と描かれた、かなりアナクロな覆面戦士だ。戦績も冴えず、このシリーズ中にデビューした上田馬之助の息子・ヒロ上田にすらフォール負けしていた。
この日の第1試合は、そんなキラーとヒロ上田の対戦だった。
控室はリング器材を降ろした後のトラックの荷台。ところがテーマ曲が鳴り終わっても、全くキラーが入場してくる気配がない。再度、テーマ曲が最初から鳴らされたが、それでも出てくる気配がない…。
ただトラックの中からニワトリの断末魔のような叫び声、まさに〝怪鳥音〟が響きわたる! そしてドンドンっと内側からドアを叩く音が響き渡るのみ。トラックの周りでは外人選手が手を叩き、ゲラゲラと爆笑している。
何事か? 慌てたスタッフがかけつけ、トラックの荷台に、外側からかけられた鍵を外すと、中からパニックとなって、気が狂ったように何やら絶叫しているキラーが飛び出し、そのままリングへと走って行った。どうやら荷台の外側からカギをかけられ、出るに出られなくなっていたのだ。
それにしても、怪鳥音のような絶叫は…?
それまで全く気がつかなかったが、キラーは耳と口が不自由で、言語を発せない「ろうあ者」だったのだ。そういえば会釈で挨拶こそすれ、キラーが話している姿を見たことはなかった。
そんなキラーが、どうやってプロレスをしていたのかも謎だが、それ以上に彼がなぜ「アジアン・キラー」を名乗ったのかも謎だ。
巡業中に何度か素顔を目撃したが、特にアジア系というワケではなかった…。
今思えば、あの「怪鳥音」のみにブルース・リー以来のアジア臭を感じ取れる選手ではあった。
私がプロレス担当になったばかりの頃、NOWという団体があった。「NOW」とは名ばかりで、まったくもってナウではなく、エースがケンドー・ナガサキ、悪党としてタイガー・ジェット・シンや上田馬之助が参戦していた。
外国人選手も渋い実力派が多く、現在ならばもっと〝通な評価〟を得たことだろう。後にWWEでスーパースターとなるJBLも「ジョン・ホーク」の名で参戦していた。
あれは1993年8月1日の日曜日。NOWの千葉・東金レイクサイドヒル広場大会を取材した時のことだ。
東金出身の〝ミスター〟こと永田裕志の啓蒙活動で一躍、聖地と化した東金アリーナとはJRの線路を挟んで反対側の山頂にある屋外会場。東金駅からひたすらセミの鳴き声がこだまする山道を歩き(途中、ヘビのヌケガラを2度も発見!)、汗ダラダラとなりつつ、やっとこさ会場に到着したものだ。
そろそろ開場時間も近かったが、台風一過の後、ドロだらけとなっていた敷地をナガサキ自らが、ショベルカーを操り整地作業。あとの選手は洗車に精を出したり、日光浴を楽しんだり…。今、考えてもまあ、のん気なモノだ。
そのシリーズに「アジアン・キラー」なる謎のマスクマンが参戦していた。ズングリ体型で、額に「X」と描かれた、かなりアナクロな覆面戦士だ。戦績も冴えず、このシリーズ中にデビューした上田馬之助の息子・ヒロ上田にすらフォール負けしていた。
この日の第1試合は、そんなキラーとヒロ上田の対戦だった。
控室はリング器材を降ろした後のトラックの荷台。ところがテーマ曲が鳴り終わっても、全くキラーが入場してくる気配がない。再度、テーマ曲が最初から鳴らされたが、それでも出てくる気配がない…。
ただトラックの中からニワトリの断末魔のような叫び声、まさに〝怪鳥音〟が響きわたる! そしてドンドンっと内側からドアを叩く音が響き渡るのみ。トラックの周りでは外人選手が手を叩き、ゲラゲラと爆笑している。
何事か? 慌てたスタッフがかけつけ、トラックの荷台に、外側からかけられた鍵を外すと、中からパニックとなって、気が狂ったように何やら絶叫しているキラーが飛び出し、そのままリングへと走って行った。どうやら荷台の外側からカギをかけられ、出るに出られなくなっていたのだ。
それにしても、怪鳥音のような絶叫は…?
それまで全く気がつかなかったが、キラーは耳と口が不自由で、言語を発せない「ろうあ者」だったのだ。そういえば会釈で挨拶こそすれ、キラーが話している姿を見たことはなかった。
そんなキラーが、どうやってプロレスをしていたのかも謎だが、それ以上に彼がなぜ「アジアン・キラー」を名乗ったのかも謎だ。
巡業中に何度か素顔を目撃したが、特にアジア系というワケではなかった…。
今思えば、あの「怪鳥音」のみにブルース・リー以来のアジア臭を感じ取れる選手ではあった。
本日の見出し
山P妹「セクハラ退職疑惑」で鳩山Jrを直撃
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