まるで、映画のワンシーンのようだ。真っ青な空の下、船長の制服に身を包んだ加山がファンをお出迎え。まずはリビングのピアノに向かい、弾き語りで自作の名曲「海・その愛」を披露した。
続いて操縦室に移動し、自らかじを取って堂ヶ島の「加山雄三ミュージアム」の港を出発。自動操縦の間は屋外デッキでファンと語り合った。
1時間にわたる西伊豆沖のクルージング。目的地の安良里港に船を停泊させると、今度はコック服に衣装替え。玄人はだしの手さばきで、9品のイタリア料理フルコースを振る舞い「加山雄三は口ばっかりじゃなく、本当に料理を作って、船長やってるんだと見せたかった」と豪快に笑った。
6月のアリーナツアーで最新アルバム「若大将50年!」を購入した6000人のうち、抽選で12組24人を25日から3日間に分けて招待した企画。500倍をくぐりぬけ当選した岐阜市の50代の女性は「夢みたい。一生忘れません」、島根・出雲市の50代男性は「神様のおかげです」と感激した。
加山は19歳から船舶を操縦し、所有するヨットは現在の「光進丸」が3代目。先日まで2男2女とその家族で10日間も過ごしたという。「洋上生活も58年くらい。夜間でも安全航海ができるよ。グアムまで行ったことあるし」と海が似合う「若大将」は健在で、70代半ばを迎えても夢はさらに広がるばかり。
「自分はヨボヨボになっても、船に乗っていたい。まあ、今でも『老人と海』だけどな。足腰がしっかりしているうちに、世界中の海に行きたいね」。日に焼けた顔でくっきりと浮かぶ水平線を見据え、5年後、10年後のビジョンを語った。
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