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【大相撲】横審が伊藤理事に抗議書2010年8月26日 紙面から 臨時の横綱審議委員会が25日、東京・両国国技館で開かれ、外部理事で特別調査委員会の座長も務める伊藤滋氏(早大特命教授)に対し、横審初の「抗議書」を送ることを決めた。放駒理事長(元大関魁傑)が郵送する。伊藤座長は文芸春秋9月特別号で横審に対し「権威主義的な昭和の遺物」「横審は横綱の品格や見識を問うていればいいのであって、改革についてお節介を焼かなくてもいいんですよ」と寄稿した。これに対し、沢村田之助委員は16日の本紙取材で「軽率で乱暴な発言。25日の臨時横審の議題にする」とコメント。この日も「早大特命教授でしょう。教育者としておかしい。ああいう方に教育される学生はかわいそう」と怒りを爆発させた。 「権威主義的な昭和の遺物」−。これだけの侮辱を受けて黙っているわけにはいかなかった。臨時横審は時間にして約20分と短かったが、委員の怒りは相当なもの。会見した鶴田卓彦委員長は「どうしてこういうことを言うのか。看過できない。黙って見逃すことはできない」と、伊藤座長の原稿にかみついた。 抗議書は報道陣に公表はされなかったが、B5サイズの用紙4枚に鶴田委員長が直筆で文章を書き、出席した9人が署名したという。放駒理事長が速達で送るが、「直接話してもいい。伊藤さんが話してみたいと言うなら受けて立ちますよ」と、鶴田委員長は直接対決も辞さない構えだ。 厳しい言葉は続く。「よけいなことを言うなというのは言葉が過ぎませんか。教育者としてあるまじき、不適切な発言。横審を侮辱する言葉でもある」「抗議することに意味がある。抗議してどうこうじゃない」「個人の問題です。伊藤理事だけの問題。伊藤さんがそれを受けてどういう態度に出るか。責任の取り方は本人が判断すること」−。 対する伊藤座長は、抗議書を送られることについて「何も言うことはありません」と距離を置いた発言をした。溝がさらに深まる可能性もある。 (岸本隆)
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