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【プロ野球】

逆転 満弾 アニキ号砲 22点

2010年8月26日 紙面から

7回阪神1死、金本が右越えに逆転満塁本塁打を放つ=京セラドーム

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◇阪神22−8広島

 これが主砲だ。阪神・金本がたったひと振りで、チームに吹いていた逆風を順風へと変えてしまった。2点を追う7回1死満塁。広島の左腕・大島のフルカウントからのスライダーだった。真ん中低めの球を、うまくすくい上げると、打球は右翼席へ突き刺さった。

 「感触も当たりもすごく良かったけど、それより逆転満塁ホームランというのがね。好きじゃないけど、自然に出ちゃいました」。一塁ベースを回ったところで珍しくガッツポーズも飛び出すほど、興奮した一発。42歳4カ月、リーグの最年長記録を更新する、通算8本目のグランドスラムだった。

 それまでは重たい空気が球場全体を支配していた。東京ドームで巨人に3タテされ、出直しを誓った24日の広島戦でも藤川球が決勝本塁打を浴び、逆転負け。この日も先発・安藤が3回までに7失点し一時は5点差をつけられていた。とても優勝争いをしているチームとは思えない戦いぶり。しかし、そんな重いムードを金本が一掃した。

 金本の一発で活気づいた打線は代打・浅井の2ラン、続く8回には鳥谷、桧山の3ランなどで一挙10点を奪い、何と結局22点を奪う猛攻。これは、05年9月10日の広島戦でマークした球団最多得点記録21をも更新してしまった。

 巨人が敗れ、一夜にして首位の座にも返り咲き。真弓監督は「あのチャンスで本当によく打ってくれた。連敗もストップしたし、これで勢いづいていきたい」と頼もしい主砲に感謝しきり。

 8回にプロ初安打、初打点をマークした上本の記念球を隠すいたずらを画策するなど、ベンチでも盛り上げた金本。結局、未遂に終わったが、こういういたずら心が出てくると、金本は乗ってくる。

 「残り35試合、とにかく優勝するんだという強い気持ちが大事」と結んだ金本。右肩の故障で、まだ本調子とは言えないが、その存在感で、チームを5年ぶりの優勝へと導くつもりだ。 

  (大久保晋)

 

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