自分が勤務する税務署にうその確定申告の書類を提出して還付金43万円をだまし取ったとして、旭川地検は25日、旭川東税務署の上席国税調査官、島村忠宏容疑者(58)を詐欺容疑で逮捕した。札幌国税局は同日付で同容疑者を懲戒免職処分とした。
容疑は、今年5月中旬ごろ、知人の名義で架空の源泉徴収税額や医療費控除額を記入した所得税還付申告書を作成。知人の源泉徴収税額が0円で源泉所得税還付金がないのに、同税務署に対し「源泉徴収税額約46万円、還付金約43万円」とする虚偽の申告をし、知人の口座に振り込ませた疑い。
札幌国税局の内部調査で7月ごろ、不正が発覚し、同地検に告発。同国税局によると、島村容疑者は「カードローンや遊興費に充てた」と容疑を認めており、虚偽申告が発覚しないよう、自分が担当した分を含む計37人分の還付申告書や添付書類をシュレッダーで裁断していたという。
同国税局の岡根秀規総務部長は「税務行政への信頼を著しく損ない、深くおわび申し上げる。綱紀の保持を徹底し、再発防止に努める」と陳謝した。【横田信行、鈴木勝一】
毎日新聞 2010年8月26日 地方版