2010-04-09
アグネス・チャン、竹宮惠子、マンガ・アニメの性描写、どこまで許容?
http://japanimate.com/Entry/1453/
朝日新聞朝刊の記事。
では、ツッコミを入れようと思う。
明らかに子供と思われるキャラクターが性的な虐待を受け、うれしがるマンガがコンビニなどに並んでいる現状を放置していいのか。
この手のマンガはまず間違いなく出版社によって自主規制されており、滅多なことではコンビニに並びません。
たとえ並んだとしても、現在はどこのコンビニも『成人向け書籍』のコーナーが作られており、立ち読みできないよう封をして販売しています。
それでも『現状を放置』とおっしゃるのですか?
マンガやアニメは現代日本が誇る文化であることに異論はないが、そのなかにひどい「ロリコン」マンガが混じっており、現在の条例では成人指定が出来ない。
ビデオ、映画、ゲーム等々、あらゆるジャンルにおいて成人指定は業界が自主的に行っています。
なぜならそれは、容易に行政による検閲に繋がるからです。
貴女の意見は行政への検閲を認めるよう主張している事に他なりません。
また、東京都は「有害図書指定」という方法で、業界に対して成人指定だけでなく、事実上の発禁すら促す事が出来ます。
事実、過去には成人指定されていた書籍が「有害図書指定」され、事実上の発禁に追い込まれています。
現状ですら、成人指定を強要する以上の力を持っているのに、まるで行政が何も出来ないかのようなウソを平気で書かないで下さい。
文化の違いから生ずる性や子供に対する考え方の違いを無視して、一方的に『ロリコン』呼ばわりしているレイシストこそが問題。
海外では『となりのトトロ』や『名探偵コナン』、『クレヨンしんちゃん』といった国民なら誰でも知っているようなアニメーションやコミックが児童ポルノ扱いされている事を御存知ですか?
そして『日本から流出した児童ポルノ』と呼ばれるデータの中に、これらの作品も含まれていることを。
ひとつは子供という存在自体をおとしめる。これは広い意味での人権侵害。
あなたの主張では他者を貶めるあらゆる表現が人権侵害として規制の対象となってしまいます。
貴女の発言を批判するわたしの文章は、あなたを『貶める』人権侵害ですか?
もうひとつは虐待や暴力を受け入れ喜ばなくてはいけないと思い込む誤ったしつけ効果を招く恐れがある。
貴女のおっしゃる通り、これはしつけの問題であり、こういうマンガを親が読ませないよう注意すれば済むこと。
少なくとも教育上いい効果が期待できるからと進んで子供に見せたいと思う親はいない。
何度も言う通り、既に様々な形で規制が行われており、子供がルール違反を犯さない限り入手は困難です。
そして、ルールを守らない人間に対して、あらゆる法律や条令が無力である事は様々な犯罪が実証しています。
貴女の主張は子供が起こした無免許運転での事故に対し、悪いのは子供ではなく、車を作った自動車会社だと言ってるのと同じ暴論です。
子どもを性的な道具として見たいという少数の特別な人の「趣味」のために、一部の出版社や作家の商売のために保護されるべき多くの子供たちの健全な発達が脅かされている。
この条例の対象範囲は非常に広く、規制の対象は性表現だけに及びません。
それをまるで、一部のタチの悪い読者と出版社だけが対象であるかのように矮小化するのは一体なぜですか?
あなたは御自分が、竹宮恵子先生やちばてつや先生と言った規制に反対する人々を「子供たちの健全な育成を脅かす一部の作家」呼ばわりしている事にお気づきですか?
東京都という権力が線引きをするのが心配と言うが、ペンを持っている人たちは大きな権力を持って子どもをどんな風にも扱える。
これは、権力によって抹殺されて来た作家やジャーナリストに対する冒涜です。
確かに、ペンの力を使えば子どもをどんな風にも扱えるでしょう、紙の上では。
しかし権力は、生きた作家や子どもをどんな風にも扱う力を持っているのです。
権力がその気になれば、作家の命や出版社の存在などどうとでも出来る事は、あなたが生まれた中国が今現在進行形で我々に見せつけているではありませんか。
現行条例をすり抜けてペンの暴力やペンによる搾取が子どもたちを脅かしている。
子供を描いたポルノ作品だけに限定したとしても、それがどうすれば実際の子供に対する暴力や搾取に繋がるのでしょう?
推理小説やホラー映画の登場人物が実際に死なないのと同じように、マンガである限り実際の子供が性的暴行を受けたり、性的搾取を受ける事はありません。
それはあまりにも論理が飛躍しており、その論理の飛躍こそ、この条例の問題点────行政側の判断でいくらでも拡大解釈できる───そのものなのです。
子供の性虐待を描いたポルノが子どもたちが容易に手に取れる場所に置かれている現状を考えてみよう。
何度でも書きます。
こういった内容の本は、子供には容易に手に入らないよう書店やコンビニでは自主規制が行われています。
そして、この条例には『子供の性虐待を描いたポルノが子供に容易に手に入らないようにするのが目的』などとは書かれていないのです。
そこに書かれている内容を要約すれば『東京都が不健全と判断した本は、出版社に発禁も含めた自主規制するよう事実上の命令が出来る。異論や反論は一切認めない。不健全かどうかを判断するのは東京都の考え次第、特に決まった規定はない』というものでしかありません。
そして、東京都の担当者や知事と言った人々の発言が二転三転している事自体が「特に決まった規定がない」事の恐ろしさを物語っているのです。
というように、アグネスは延々とウソを垂れ流していますが、センセーショナルなウソほど人々は感化されやすいものです。
これを実際に書いた人は、一般大衆に訴えかける方法をよく判っていると思う。
我々に出来る事は、彼女のウソを暴き反論して行く事だけです。
幸い朝日新聞には『声』という読者投稿欄があります。
ここに今回の記事についての感想をみんなでガンガン送れましょう。
たとえ掲載されなくても、メールや投書が集まる────読者の反応が強いと思わせる事で、朝日新聞により深い取材を促す効果が期待できるからです。
この件に関して、朝日新聞は数少ない公正な立場をとっているマスコミです。
彼らにどんどんニュースとして扱って貰う事こそ、問題をより広く周知して貰う強力な手段です。
- 朝日新聞:よくあるお問い合わせ ←下の方に朝日新聞の投書先が書いてあります
今夜、TBSラジオで「非実在青少年」を議論
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/d97631646353513b3c253624da118a6a
既に昨日となってしまいましたが、TBSで「非実在青少年」の特集が組まれていました。
パーソナリティの荻上チキさんはこの問題に関して基礎的な情報をちゃんと押さえているようで、適切な質問をぶつける事で、我々もなかなか言いにくい話を引き出すなど、非常に有意義な番組でした。
こう言っては失礼ですが、藤本由香里さんもマスコミへの出演に随分と慣れて来た感じで、今回はかなり安心して聞いていられましたし(苦笑
一方、もう一人のパーソナリティである外山恵理アナウンサーが、最後までこの問題を、エロいマンガが規制される以上の事と理解できていないようだったのは、残念であると共に、表現者で無い人───アナウンサーが表現者かどうかは、いろいろ意見があると思うけれど───に、この問題を理解させる事の難しさを感じさせられました。
まあ、声高に反対を叫んでいる人の中にも『エロマンガが読めなくなる』程度の認識の人は少なくないので、この溝を埋める難しさは並大抵では無いのでしょうが。
オーストラリア版金盾か?
http://deaar.blog124.fc2.com/blog-entry-96.html
オーストラリアでは中国並みのネット規制が行われ、eBayやAmazonへのアクセスも制限されているそうです。
最初は児童ポルノ規制や青少年保護を理由に始まったそうですが、案の定エスカレートし続け御覧の通り。
規制が一度始まると止まらないのは洋の東西を問いません。
なぜなら、規制を監視したりチェックしたりする人達にとって、それは仕事であり、規制の拡大は、自分達の業務の拡大となるからです。
多くの老人は、自分達の知っているマスコミと同じ理論で動かない、つまり自分達で制御できないネットを潰す事に今この瞬間も奔走しています。
それは次の世代に権力を奪われない為の既得権保護そのものであり、彼らが本当に子供や次の世代のことを考えていない事の証拠そのものなのです。
メールの内容がほぼ同様なものになってきました。これでは、読んでいる議員も段々、読み方が雑になりますね。
http://twitter.com/katsuhikoasano/status/11854939446
都議の方からアドバイスというか苦言。
既に「とにかく反対」的なメールを出す時期は過ぎています。それではスパムメールと変わりません。
最新の情報に注意を払い、状況の変化や動きに合わせて、よく考えて行動して下さい。
例えば、民主党では条例についてプロジェクトチームが作られていますので、プロジェクトチームで議論して貰いたい事柄の提言など、現状に沿ったメールを出すようお願いします。