旧清水市(現静岡市清水区)で1966年、家族4人が殺害された「袴田事件」の袴田巌死刑囚(74)に、民主党の牧野聖修氏(衆院静岡1区)が24日面会した。牧野氏は、1審公判から無実を訴えている袴田死刑囚を支援する超党派の議員連盟会長で、今年4月の議連結成後、初めて面会した。牧野氏らはその後、千葉景子法相に刑の執行停止を求め、法相は「自分の任期中に、自分で結論を出す」と述べた。【山田毅】
袴田死刑囚は最高裁で08年3月、再審請求が棄却された。姉の秀子さん(77)は翌月、第2次再審請求し、現在、袴田死刑囚の弁護団、静岡地裁、静岡地検がこの請求をめぐり3者協議を続けている。弁護団は事件に関する証拠の開示を地検側に求めており、次回9月13日での地検側の出方が焦点となっている。
牧野氏の24日の面会は東京・小菅の東京拘置所で約25分間、行われた。同席した秀子さんの説明では、袴田死刑囚は落ち着いていたというが、会話は成り立たず、一方的に話すばかりだったという。
牧野氏によると、拘置所の担当医は袴田死刑囚について「アルツハイマー病が進行している」と話し、血圧を下げる薬など数種類の薬を毎日服用していると説明したという。
牧野氏はその後、公明党の漆原良夫氏(衆院北陸信越ブロック)ら議連メンバー2人と千葉景子法相に会い、袴田死刑囚の刑の執行停止を文書で申し入れた。議連の要請は2回目で、牧野氏によると、千葉法相は要請について「自分の任期中に調査、精査し必ず自分が結論を出す」との考えを示した。
毎日新聞 2010年8月25日 地方版