酔客ふらっ…押し出され電車とホームの間に挟まれ事故死

　２３日午後８時３５分ごろ、東京・新宿区の京王線新宿駅ホームで男が利用客とぶつかり、弾みで慶大名誉教授で通信制の星槎（せいさ）大学学長・佐藤方哉（まさや）さん（７７）＝東京・多摩市＝が押し出され、電車とホームの間に挟まれた。病院に運ばれたが間もなく死亡した。

　佐藤さんは、作家・佐藤春夫の長男。警視庁新宿署は、過失傷害の疑いで、ぶつかった東京・日野市のアルバイト・藤井幸則容疑者（４２）を現行犯逮捕した。

　同署によると、折り返して下りになる上り電車が３番線ホームに進入した際、ホームに座り込んで待っていた藤井容疑者が立ち上がった。だが、大きくふらついて隣の列にぶつかり、弾みで先頭の佐藤さんが押し出された。佐藤さんは電車とホームの間に頭を挟まれ、停止寸前だった電車に約１０メートル引きずられた。病院に搬送されたが約１時間後、頭がい骨損傷と首からの出血で死亡した。

　同容疑者は「ビールと酎ハイを飲んだ。立ち上がったら目まいがしてよろめいた」と供述している。同署によると「泥酔ではなく、ほろ酔い程度」だったといい、容疑を傷害致死に切り替えて調べを進めている。

　佐藤さんは「田園の憂鬱」などの小説作品のほか、谷崎潤一郎と妻をめぐる関係でも知られた作家・佐藤春夫の長男。佐藤さんに同行者はなかったが、同署では帰宅途中だったとみている。

（2010年8月25日06時01分  スポーツ報知）

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