阿久根で臨時市議会開催、副市長選任を不承認

鹿児島県阿久根市の臨時議会で、竹原信一市長（右）が述べた副市長選任理由を聞いて涙する仙波敏郎氏

　竹原信一市長が専決処分を乱発し混乱が続いた鹿児島県阿久根市の臨時議会が２５日開会し、市長が承認を求めた専決処分１９件のうち８件を審議、元愛媛県警巡査部長の仙波敏郎氏の副市長選任など３件を反対多数で不承認とした。

　市長が議会招集に応じなかったため約４か月ぶりの開催。２６日に残る１１件が審議されるが、ほとんどが不承認となる見通し。

　議会の議決を受け仙波氏は報道陣に「手続きは踏んだ。専決が議決に優先するので、私は完全に副市長です」と正当性を強調。市長も「これがルール。これで誰も文句は言えない」と述べた。

　専決処分に関して総務省行政課は「もともと違法な処分なら、不承認の議決以前に無効だ」との見解で、鹿児島県の伊藤祐一郎知事も「（仙波氏選任は）違法な状態での専決であり、法的効力が生じるか極めて怪しい」としている。

　２５日に不承認となったのは、ほかに公共の場で花火使用を制限する条例と教育事業に関する本年度の一般会計補正予算。

　反市長派の市議らは質問で、副市長選任の違法性を指摘。市長は「すべてを否決する議会を相手にするには専決しかない」と主張し「市長と議会は不信任の関係なので専決は有効」と主張した。

　一方、竹原市長のリコール（解職請求）手続きで市民団体は同日、８４２０人分の署名を集めたと発表。請求に必要な有権者の３分の１を既に上回っており、住民投票が実施されることがほぼ確実になった。

　市長は３月、市議会を欠席。例年６月に開く定例議会を招集せず、議員が請求した臨時議会にも応じなかった。伊藤知事が７月、議会を開くよう２度是正勧告していた。

（2010年8月25日21時55分  スポーツ報知）

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