披露宴から3日後に実父を亡くした女優・篠原涼子(37)が24日、所属事務所を通じて初めてコメントを寄せ、心境を明かした。この日、日本テレビ・読売系で10月からスタートするドラマ「黄金の豚‐私たちが払った税金を追え!‐」(水曜、後10時)に主演することが発表された篠原は、父が自身の一番のファン、一番の理解者で、出演作を見て誰よりも喜んでいたと振り返った。葬儀後、22日に行われた今作のスチール撮影で仕事復帰した篠原は、税金の不正使用を糾(きゅう)弾するヒロイン役。天国の父に届けるため、全身全霊で新たな作品に挑む。
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悲しみにくれた篠原が、父への思いを初めて明かした。
病魔と闘う父のために、地元・群馬で開いた披露宴のわずか3日後、17日に届いた訃報(ふほう)‐。式の途中で容体が悪化して途中退席した父は、そのまま帰らぬ人となった。篠原のショックは計り知れず、18、19日の葬儀では涙も枯れ果て、周囲が声をかけられないほどだったという。死去から1週間、辛い中で今後も女優として歩んでいく篠原は、優しかった亡き父の思い出を静かに振り返った。
「父は男手ひとつで私たちきょうだいを育ててくれて、男らしく笑顔を絶やさず、人を喜ばせることが大好きで、誰からも愛される人でした。私にとって父は一番のファンであり、よき理解者でもありました」。娘がテレビ出演している姿を見ては、誰よりも喜んでいたという。そんな父の姿を篠原も励みにしていた。
心に大きな穴があいた篠原だが、涙を心にしまい、父を見送った3日後から仕事を再開させた。父が生きていれば楽しみにしていたはずの、主演ドラマのスチール撮影だった。天国の父を喜ばせるために前へ進む篠原は、元詐欺師で会計検査長の特別調査課調査員役。税金の不正使用にメスを入れ、最後には「金、返せ!」と啖呵(たんか)を切る勧善懲悪のストーリーとなる。
「これからも父が天国で私の作品を見て、あの笑顔で喜んでもらえるよう、また、父みたいに誰からも愛される人間になれるよう精進してまいりたいと思っております」。連続ドラマでは同局系「ハケンの品格」以来、3年半ぶりの主演作。空から見守ってくれる父のためにも全力で挑む。