5回、チェンの送りバントの判定をめぐって谷塁審に抗議する落合監督(右)(撮影・出月俊成)
「巨人6-4中日」(24日、東京ド)
抗議に向かうオレ流指揮官が、初めて走った。おかしい。黙ってられるか。「ダメ、ダメ」と首を横に振り、谷一塁塁審に異を唱えた。規定の5分を超える7分の抗議。遅延行為で監督通算4度目(現役時代に2度)の退場。だが、体を張った中日・落合監督の行動も勝利には結び付かず、2・5差の一歩後退だ。
問題のシーンは五回、1死一、二塁からの犠打。一塁ベースカバーに入った脇谷の足が、捕球寸前で離れたように見えた。3点差。1死満塁か、2死二、三塁かでは、局面が大いに違う。「オレが出た以上は、判定を変えなきゃ引き下がれない」。審判団に詰め寄った。
将の退場劇に兵は燃えた。直後、荒木、藤井の連続適時打で同点。勢いは竜に傾いたが、その後は攻め手を欠き、最後は清水が一発に沈んだ。「何とか打ちたかった。勝ちたかった…」。荒木が唇をかんだ。
「現場責任者が職場放棄して、余計な迷惑を掛けたんだから。今日は何も語る資格がない。2度とすまいと思ったけど、また近いうちにやるかもな」。目に映ったものを信じる。違うと思ったら、体と声を張る。逆転Vへ‐。落合監督はオレの道を突き進む。
(2010年8月24日)