ホメオパシーとは
ホメオパシーは、今から200年以上前にドイツ人医師ハーネマン(S.Hahnemann)によって体系化された治療方法です。
当院で処方するレメディ(ホメオパシーで服用する乳糖で出来た小さな粒)の原料は自然界の物質(植物、鉱物、動物)ですが、物質性が無くなるまで希釈を繰り返し、最小有効量を用います。
それを口に含んで溶かし、口腔粘膜から吸収させます。
広辞苑(第4版)に次のように記載されています。
ホメオパチー(Homeopathie ドイツ語)全ての症状に、それに似た作用を起す極微量の激毒薬を投与する治療法。
ハーネマン(S.Hahnemann 1755~1843)により体系化され、ドイツを中心に今日も民間療法的に普及。
ハーネマンがドイツ人であったからか、ここではホメオパチーとドイツ語で表記されていますが、現在その普及はドイツが中心ということでもなく、欧米を中心に世界中に広がりを見せているので、ホメオパシー(Homeopathy)と英語で呼ぶほうが一般的となっています。
まさに民間療法的です。200年に及ぶ歴史、体系、世界的な普及を見れば、一民間療法と片付けるにはあまりにも大きな存在です。だから民間療法的と「的」を付けたのでしょう。通常医学としての、いわゆる西洋医学に含まれるものではないということでは、代替療法と呼ぶほうが当たっているでしょう。
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似たものが似たものを治す
病気によって現れる症状というのは、いったん抑圧された生命力が、これをはね返そうとしていることの現れであるから、西洋医学のように、何が何でも症状を取り除けば良いといのではなく、むしろこの症状を発見するような物質を用いて、生命力の回復を促そうとするのです。
この考えのきっかけは、ハーネマンがマラリアの治療に用いるキニーネを服用したところ、マラリアの症状と同じパターンの発熱が起こったことにあるといわれるように、あくまでも経験に基づいたものです。
体の故障を修理することに主力を注ぐ西洋医学と違って、体の奥にある「いのち」に働きかける方法ですから、よりホリスティックな医学であると言えましょう。
極微量を用いる
これが徹底しているのです。一兆倍以上に薄めて、薬剤の成分が一分子も含まれないような液にしてこれを用いるのです。一分子も含まれてないのでは、ただの水ではないか。それがどうして効くのかと、誰でも疑問に思います。ではホメオパシー側の言い分はどうなのでしょう。
ホメオパシー側ではこのことを、「徹底的に薄めることによって薬剤の物質性が排除されて、薬の霊魂だけが残ります。これが効くのです」と言うのが、ホリスティック側の言い分です。
これを額面通りに受け取ってしまうと、「それみたことか。霊魂なんて言って、私たちが求めているのは医学なんですよ、宗教ではないのですよ」と、西洋医学側からのホリスティック医学に否定的な陣営からの非難に、火に油を注ぐ結果になってしまいますが、霊魂といっても世間でいうような、おどろおどろしいものではありません。
霊魂とは「いのち」の場のエネルギーです。ホメオパシーで用いられる薬剤はレメディ(Remedy)と呼ばれ、わずかな例外を除いて、自然界にあるもの−植物も、動物も、鉱物も、そのまま使います。そのレメディの持つ場のエネルギーが、与えられた者の「いのち」の場に働いて、このエネルギーを高めるのです。
レメディの事実
よく「毒をもって毒を制する」ということがホメオパシーの原理かのように言う人がいますが、とんでもない話です。ホメオパシーの実際を知らないで、本の知識だけの人がこういうことを言うのです。
もっとも広辞苑も、「劇毒薬」なんていう表現をしているのですから誤解が生じるのも仕方がないかもしれません。
レメディの中には、トリカブトや砒素(ヒ素)のように、一般的に毒薬と見なされているものもありますが、これとて物質性はないのですから問題ではありませんし、レメディのほとんどは優しい大自然の贈り物なのです。レメディを選ぶのも全部が聴き取りです。
長い時間をかけて患者さんのからだ、こころ、いのちの全ての状態を掴み取ってレメディを選ぶのです。だから、ホメオパシーをおこなう医師は、患者さんの話をじっくりと聴きます。
決して話をさえぎったりはしません。そのうえ、相手のからだやこころやいのちの状態を掴むためには、医師のそれが高いレベルのものでなくてはなりません。
ホリスティックの中のホメオパシー
もちろんこれらの考えを支える西洋医学的根拠はまだ充分ではありません。しかし現在医学のなかで、これほどホリスティック、つまり人間まるごとを見る医学はない。ホリスティック医学を目指す者にとって、ホメオパシーは避けて通ることは出来ません。
現在、日本にホリスティック医学を成就させるためには、ホメオパシーの普及が不可欠であり、そのホメオパシーを普及させるためには、まず医師の意識を高める必要があるという考えから、2000年の1月に、幾人かの同士が集まって日本ホメオパシー医学会なる医師だけの会が発足されています。その医学会の活動を通して、医師の質が向上するために、つまり日本の医療レベルがアップするためにはホメオパシーが必要であるとの認識が強まっています。