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【サッカー】

原強化技術委員長 代表代行 決まらない代表後任監督

2010年8月25日 紙面から

 日本代表監督の後任人事が長期化している問題で、日本サッカー協会の大仁邦弥副会長(65)と原博実強化担当技術委員長(51)が24日、都内で会見を開いた。同委員長は席上、複数の外国人候補との最終交渉が合意に至っていないことを明かすとともに、9月4日のパラグアイ戦(日産ス)、同7日のグアテマラ戦(長居)で交渉責任者自らが代行監督を務めることを明言。新生ジャパンは新指揮官不在という異例の船出となる。

 約140人の報道陣を前に、陳謝の言葉から会見は始まった。

 原委員長「何とか良い知らせを持ってこようと思ったが、残念ながらまだ契約することができていない。もう少し待ってほしい」

 前レアル・マドリード監督のペジェグリニ氏(56)、オリンピアコス監督に就任したバルベルデ氏(46)との交渉は不調に終わった。現時点で「1人ではない」という監督候補との交渉は最終局面を迎えながら、「まだ返事が来ていない」(原委員長)。

 相手は元ポルト監督のビクトル・フェルナンデス氏(49)、前メキシコ代表監督のハビエル・アギーレ氏(51)ら外国人。吉報を待てども…。難航を極める交渉について、原委員長は「責任を感じるが、いい人を連れてきたい」。交渉の出遅れや、つたなさ、責任論を指摘されたが、「今、考えることは一番いい監督を連れてくる。そのことだけ」と退けた。

 ただ、理想を追いながらも、現実として船出戦が迫っている。4年後のW杯を見据えた盛大なお披露目−のはずが、そんな思惑はかすみ消え入りそうだ。原委員長は「まだ可能性は捨てていない」と9月2戦の指揮を執る期限を27日に一度は設定した。だが、たとえ合意に達しても就労ビザの取得は厳しい。「万が一間に合わなかった場合は原がやります」とした大仁副会長の説明を、原委員長は「現実的にはそうなる」と自ら代行監督を務めると修正した。

 27日に発表するという選手選考は、技術委員会が主導するという。自らが代行監督を務めることについて、「監督が決まっていなくても、監督が代行だからといって適当にやる選手はいない」と影響を否定した。

 国際サッカー連盟によると、W杯南アフリカ大会に出場した32チームで新監督が決まっていないのは、日本と北朝鮮を残すのみとなった。交渉術、交渉能力への懐疑的な見方を一掃するにはやはり有能な新監督の誕生。そこに尽きる。 (松岡祐司)

 

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