笑顔でジョギングする闘莉王=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(29)が24日、長引く日本代表の新監督人事にモノ申した。愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターでの練習後に協会の会見内容を聞くと、「犬飼(基昭・前日本協会会長)さんがいなくなって、誰も決められない。時間をどれだけ無駄にするの」とあきれ顔。直後に自ら切り出して「おれはオリベイラさんがいいと思う」と鹿島のオズワルド・オリベイラ監督(59)を推薦した。
「みんな、彼が結果を残している人だと知っている。日本人を知っていて、みんなを把握している素晴らしい監督。スペイン人とか言うけど、次のW杯はどこか知ってる? ブラジルだからね」
日本サッカーの未来を憂う闘将が熱弁を振るった。鹿島を3連覇に導いたJ屈指の名将とは、08年の日韓オールスターで共闘し、短期間でチームを戦う集団へまとめ上げる手腕に感銘を受けた。
「ほかの人が悪いわけじゃなく、日本人の心を知っている人、岡田さんがやってきたことにプラスできる人がいい。あのチームは何がよかったって、まとまりがあった」
南ア大会で16強入りした岡田ジャパンをさらに発展させることができるという、闘莉王なりの“選考基準”を示した。
実際には、原技術委員長が国内からの引き抜きを否定しており現実的ではない。闘莉王自身、大会から帰国直後に「代表のことは考えられない」と話していた立場で、この日も「名古屋のことでいっぱい、いっぱい」と話すにとどめたが、「日本に強くなってほしいと応援している」という気持ちに突き動かされた格好だ。 (塚田陽一郎)
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