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【プロ野球】

小笠原が決勝26号 巨人4連勝で奪首

2010年8月25日 紙面から

巨人−中日 8回裏無死、小笠原が右越えに勝ち越しソロを放つ。投手清水、捕手谷繁=東京ドームで

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◇巨人6−4中日

 真ん中高めにスライダーが抜けてくる。8回、スコアは4−4。「集中して、頭を真っ白にしていた」。巨人の小笠原が無心で放った打球は、ライナーで右翼席の上段へ達した。決勝の26号ソロでチームを4連勝へ、そして14日以来10日ぶりとなる首位へと導いた。

 強い責任感に突き動かされていた。先週のナゴヤドーム3連戦。チームは中日に3連敗し、自身は11打数無安打に終わった。中軸の打者として悔しくないはずがない。「そういう(取り返そうという)思いも少なからずあった」。その心模様をバットで表現できるから、強力打線で中軸を張り続けられる。8試合ぶりの一発に「いいところで打てて本当によかった」。静かにうなずいた。

 変わらないことに変わらない価値を見いだす。試合前に行う練習メニューは、シーズンを通してほとんど同じ。決まって最初にグラウンドに現れて、黙々と体幹強化のトレーニングをこなす。この日、他の野手がやや遅めにアーリーワークに出てきた中、小笠原だけは普段通り午後1時ごろから体を動かした。腰などの張りで13日から6試合続けて一塁で出場するなど、万全でない状態でもセーブはしない。自分への妥協は許さない。

 敵地で3連敗した重い空気を、本拠地で振り払えた価値ある1勝。復刻ユニホームで初勝利を収めた原監督は「価値ある本塁打だった」と小笠原をたたえ、「前回のことはもう忘れた。呼び起こすことはない」と先週の屈辱を振り返ろうとしなかった。

 どれだけ活躍しても、チームが首位に浮上しても、小笠原は油断しない。「試合は続く。また集中してやっていくだけ」。コメントのフレーズもいつもと変わらない。一流は決してぶれない。 (永山陽平)

 

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