個人戦はトーナメント方式
がんじすさんに胸を借りて、なんとなくビーチ相撲という競技がわかったところで大会がスタート。
開会式の後、まずは参加者30人ほどの男子個人戦がトーナメント方式でおこなわれる。見る側としてちょっと楽しみにしていた女子の個人戦は残念ながらナシ。
正直にいうと、ビーチ相撲と聞いて、あの名作テレビ番組「ドキッ!丸ごと水着!女だらけの水泳大会」が一番最初に頭に浮かんでいた。
第一試合でいきなり登場
男子個人戦一回戦の第一試合は、いきなり私、玉乃豊とけいやさん(もちろん初対面)との取り組みだ。本大会のオープニングマッチとなるので、今後の盛り上がりを決める大切な一戦である。
多くの人が見守る中、係の人に海パンの上からまわしを締めてもらい、土俵に入って一礼。仕切り線の前で蹲踞(そんきょ)をして、両手をついたらハッケヨーイ。
相手のどこを見たらいいのか、どこからどこにぶつかったらいいのか、相手はどれくらい本気でぶつかってくるだろうか、そんなことを考えている間に試合はスタート。
初対面相手のガチンコ勝負はまさかの勝利。スポーツ競技で勝利することはもう一生ないと思っていたので、自分でも意外な結果である。意外過ぎて、このまま優勝しちゃうんじゃないかなとさえ思えてきた。
試合時間はたぶん5秒とかなのだが、その短時間にアニメにしたら30分は持つドラマが詰まっている。
取り組みが終わっても緊張から膝がガクガクしていた。
二回戦は実力通りの結果に
相撲は試合時間が短いので、ポンポンと一回戦は進んでいき、すぐに二回戦の取り組みがまわってきた。
一回戦と違って一度試合に勝っている選手だけが出てくるので、ここから先は実力者のみとの対決となる。私以外。
さっきまでは舞い上がって「このまま優勝しちゃうかも」と思っていたが、土俵上で私より二回り大きい対戦相手を前にすると、やはり勝てる気がしない。
忘れていたが、相撲は格闘技なのだ。
もちろん相手に怪我をさせようとしてやっている人はいないのだが、取り組みの流れ次第では、結果として怪我をする危険性が潜んでいる。
土俵がよく掘り起こされた砂だったのと、緩衝材となる体脂肪を10年で10キロ蓄えていたために、その時とても痛かったのと、そのあと三日くらいずっと痛かっただけで、幸いにも怪我はしなかった。
日本ビーチ相撲協会の熊木さんが、以前おこなわれた会社の相撲大会のゲストにきた行司の式守伊之助(本物)にいわれた言葉は、「負けるときはきれいに負けてください」だったという。
その言葉、取り組み前に聞きたかった。
個人戦は小型力士が上位独占
安藤さんと二回戦敗退同士で、あそこが痛い、ここが痛いといっている間も白熱した取り組みは続く。ビーチ相撲は見ているだけでもおもしろいが、一度でも参加をすると「この人なら勝てる」とか「この人とはやりたくない」という競技者としての目線が加わってさらにおもしろい。
準決勝に残った4名は、意外にも私よりも身長が低い小柄な選手ばかりだったが、その筋肉のつき方が普通じゃない。明らかに柔道やレスリングなどのバックボーンが感じられるアスリートタイプ。
ここまで残ってきた選手なのでみんな実力者なのだが、土俵の外から取り組みを見ている分には、100回やったら1回くらい勝てるかもしれないと思わせる要素がビーチ相撲にはある気がする。実際にやったら100回負けるんだろうけれど。