アメリカ太平洋軍のウィラード司令官は、沖縄の普天間基地の移設問題について、騒音の程度などに影響がある航空機の飛行ルートをめぐって、日米の立場が異なり、議論が続いていることを明らかにしました。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題をめぐり、日米両政府は、今月末までに取りまとめる報告書で、名護市辺野古に2本の滑走路を造る従来の計画に加え、日本側が提案した滑走路を1本にする案も併記する方向で調整を進めています。これについて、アメリカ太平洋軍のウィラード司令官は、24日、NHKのインタビューで、「滑走路を選ぶ作業に関連して、飛行ルートについての議論が日米の専門家の間で続いている」と述べ、騒音の程度などに影響がある航空機の飛行ルートをめぐって、日米の立場が異なり、議論が続いていることを明らかにしました。そのうえで、ウィラード司令官は「飛行ルートは地元住民への負担を最小限にするのが重要だが、航空機の運用の効率性と飛行士の安全を最大限にすべきだ」と述べ、アメリカ軍としては、軍の作戦行動に支障を来さない飛行ルートが決定されることに期待を示しました。これに対して、日本側は、移設先の地元を説得するため住民への騒音などの負担を最小限にする飛行ルートを重視しているものとみられ、普天間基地の移設問題をめぐる日米間の協議は今後難航することも予想されます。