かるま龍狼『よなよな』
極道顔のマスターの過去が意外とあっさり判明するわけですが、今後変な誤解を如何に解いていけるかは結構面白そうですな。あと、何よりましてこの店の経営状態が一番気がかりです(笑。
さて本日は、かるま龍狼先生の『よなよな』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『艶ママ』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ほっこり&もちもちバディな美女・美少女と繰り広げるちょっと奇妙な艶話が楽しい1冊です。
描き下ろしのフルカラー短編「よなよな」(8P)を除き、1話・作当りのページ数は8〜18P(平均16P弱)と少なめのボリュームで安定。ライト調でありつつ、アクセントの効いた作劇であり、体温感の強いエロも含めてある程度の読み応えがある作品集と感じます。
【ほのぼのとした日常エロ話がメイン】
デビュー時からテンションの高いすっとぼけギャグに強みのある作家さんですが、近作ではベテランらしい構成力の高さを示しており、トイレの隣室の便秘がち女性があげるうめき声をエロボイスと勘違いしたことから状況がテンポよく変化し、見事なギャフンオチでまとめる短編「ききみみ」は、馬鹿馬鹿しさを生み出す巧妙さをよく物語る1作です。
また、人妻が身に秘める熱い情欲を「だって、雨なんだもの・・・」の台詞によって追認させる短編「雨やどり」は、欲望の発露を人の如何ともしがたい事象に委ねて肯定するという女性のしたたかさを描いており、奇抜な中にある意外に味わい深い情動の描写にも魅力があることを改めて示しています。
前単行本では、そういった作劇上の美点に、エキセントリックなネタを惜しみなく絡め合わせて読み手の意識をいい意味で引っかき回す作品に存在感がありましたが、今単行本では任意の物体にち○こを生やすことが可能な少女を描く短編「ニョッキン」を除いては、比較的オーソドックスなエロコメ・ラブコメがメイン。
ページ数があまり多くないので、エロ漫画としての構成の要請上、良くも悪くもテンプレ展開的な“ヤるだけの作品”になっている作品もないわけではないですが、口当りの良いユーモアに遅効性の旨味がある作品も多く、凡庸な印象があまり感じられないのは○。
近親エロも含めて背徳感や暗さとは無縁のタイプであり、オチもほのぼのとしているので、読後感も良好と言えます。
【生活臭と艶っぽさが同居する熟女ヒロインズ】
女子高生〜女子大生クラスの娘さんが登場する作品も数本存在しますが、今単行本のヒロイン陣はママンであったり叔母であったり、人妻であったりな20代後半〜30代半ば程度の熟女さんがメインです。
このキャラデザインの変化に加え、作品によって地である少年漫画的な明るい絵柄から、ほんのり劇画的な重さを添加したインモラル寄りの絵柄まで、作品の方向性に応じて画風に振れ幅が認められるのは面白い点でもありつつ、一定の限定材料たり得ることには要留意。
ティーンガールに関しては並乳さんも存在しますが、基本的には巨乳キャラがメインであり、柔らかい乳尻に加えて肢体全体の適度な肉付きの良さは、肌の内に籠る熱ともちもちとした質感をたっぷりコンテイン。その肢体描写の一種の泥臭さは必ずしも万人向けではありませんが、熟女モノにはよくマッチするタイプであるとは考えます。
また、時にベビードール(下着)や水着といった華やかな衣装を投入しますが、熟女キャラに関しては妙に生活感のある服装をさせていることが多く、この点も属性持ちへの訴求力を高めています。
総じて、訴求層を広く取ったキャッチーさには欠ける一方で、女性の抱擁感であったり生活感であったりにエロスを感じる読み手のツボを的確に突いてくるキャラ造形であると言えるかもしれません。
【分量に物足りなさもあるも柔肉に包まれる幸福感が魅力】
一部の作品を除く、少年と年上の女性(女子大生〜熟女)とのセックスを描く作品が多く、比較的まだ小さい体躯の少年が女性の柔肉に包まれ媚肉に絞られる交合は熱気のあるエロスに包まれており、抜きツールとしてはそれなりに強力。
ページ数の都合もあってか、特に濡れ場を分割構成した場合において、個々のパートの尺が足りないなどエロ展開に苦しさを見せることもありますが、日常シーンでの姿の魅力と決して遊離しない女性の艶っぽさが強く打ち出されるヒロインの痴態は十分量描かれていると言えます。
少年らしく、エロ漫画作品としては大分可愛いサイズの肉棒をお姉さま方は口や指で弄び、まずはエロの導入部を形成。
この前戯パートにおいては射精シーンがほぼ存在しないことは好みを分けそうですが、こちらに出してと言わんばかりに自らお股を開いて挿入をオネダリすることでピストン運動へとスムーズに移行しており、分割構成さえ取らなければ快楽曲線の盛り上げに間断のない作りになっています。
二人の関係上、外出しフィニッシュになるケースも相応にありますが、中出しフィニッシュメインと言えます。1Pフルでダイナミックに描くタイプから、ややエロ的な盛り上がりに欠ける中ゴマでのフィニッシュまで作品によって抜き所としての有用性に幅があるのは少々勿体ない点。また、ち○こに迫力が無い分、透過図が本来持つ最奥への到達感がかなりスポイルされているのも個人的には減点材料です。
個人的には前単行本の方が好きであったのは否めないのですが、それでも色香ムンムンな年上美女に搾り取られるエロシーンは十二分に魅力的であり、また絵柄やキャラ造形はともかく、作風自体はより幅広い層にアピールできる単行本とも感じます。
個人的には、シナリオほぼ皆無ながらママさんヒロインの艶やかな姿が実に脳味噌直撃な短編「夜な夜な」と、おっちゃん大好きガールとそんな彼女の愛情を受け止めようか逡巡する中年男性の姿が共に微笑ましい短編「なつかれ」がお気に入りでございます。
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