国立病院機構「浜田医療センター」(浜田市浅井町)の時間外(平日の夜間、休日)診療が9月1日以降、軽症や紹介状がない場合、通常の医療費に加えて時間外選定療養費(5250円)が必要になる。これまでは医療費の他に特定療養費(3150円)を請求しており、負担が2100円アップすることになる。
浜田医療センターは、県西部地区で唯一、救命救急センターがあり、24時間体制で患者を受け入れている。09年度の救急外来の利用者は1万2428人だったが、このうち入院したのは2368人(19・1%)。医療センターは「大部分は軽症。いつでも受診できるとして来る患者さんが増加している」とみている。
こうした「コンビニ受診」ともいわれる軽症者の利用減を目的に、平日の午後5時15分~翌日午前8時半と、土日曜、祝日、年末年始に関して5250円の請求に踏み切った。ただし、救急車による搬送▽入院が必要▽再診▽紹介状持参--の場合は請求しない。また、医師が緊急性があると判断したケースも負担しないで済む。
医療センターは「限られた数の医師で対応している。過重労働は重症患者さんの診療に影響を及ぼす心配がある」として、理解を求めている。
県内では松江市内の2病院がすでに時間外選定療養費を導入しているが、金額は浜田医療センターが最も高くなるという。【大西康裕】
毎日新聞 2010年8月24日 地方版