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横審 伊藤理事の「昭和の遺物」批判に“物言い”
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臨時会合で伊藤理事の発言を議題に取り上げることを明かした沢村委員(左)ら横綱審議委員=2010年7月26日撮影
Photo By スポニチ |
日本相撲協会の横綱審議委員会(横審)は25日、両国国技館で臨時の会合を開く。放駒理事長(62=元大関・魁傑)との顔合わせなどが予定されるが、沢村田之助委員(78=歌舞伎俳優)は24日、今月10日発売の月刊誌「文芸春秋」で伊藤滋外部理事(79=早大特命教授)が横審を「昭和の遺物」と批判したことを問題視。会合の議題として取り上げる意向を明らかにした。
横審の重鎮が、伊藤外部理事の問題発言に物言いをつけた。横審臨時会合を翌日に控えたこの日、委員となって8年目を迎える沢村田之助氏が怒りを爆発させた。
「伊藤さんは月刊誌に乱暴なことを書いた。あの記事を読んで、非常に不愉快な思いになりました。とても我慢できない。侮辱されたことは許せない。会合の議題に挙がるでしょう。挙がらなければ私から言う」
沢村委員が問題視しているのは、10日発売の「文芸春秋」9月特別号で伊藤外部理事が賭博問題調査について寄稿した記事の一部。賭博問題などを調査する特別調査委員会の座長を務める伊藤外部理事は「横審は横綱の品格や見識を問うていればいいのであって、改革についてお節介を焼かなくてもいいんですよ。権威主義的な昭和の遺物ですね」などと横審に批判的な文章を書いている。これに沢村委員は「いくら横綱のことだけをやっていればいいと言っても、横審も協会の諮問機関だ」と反論した。
野球賭博問題など一連の不祥事を受けて、力士や親方らが処分され、外部委員会が立ち上げられるなど角界は大きな変革期のまっただ中にあるが、横審は決定事項を書面で通達されるだけで、蚊帳の外に置かれている。
そうした状況もあるだけに、60年前に発足した伝統ある横審を軽視するかのような発言を見過ごすわけにはいかなかった。会合には問題の原稿を持参して出席する予定で、「どういうつもりで書かれたのか聞いてみたい」と今後、伊藤外部理事に面会を要求する可能性も示唆した。
25日の会合で横審がどんな結論を出すのか。伊藤外部理事への対立色を強めれば、角界に新たな火種が生まれることになる。
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