世界平和青年連合会長メッセージ
New Youth Message
心情文化世界建設の先頭に立とう!

更新日:2010年3月24日



世界平和青年連合会長
梶栗 正義


 世界平和青年連合(YFWP)は、今年2010年12月に創設15周年を迎えることになります。創設以来、今日に至るまで、私たちは世界的なネットワークと地域に根付いた草の根奉仕活動を通して、文字通り世界平和実現のための青年運動を展開してきました。節目となる年を迎え、今一度私たちの目指すべきものと青年運動の今日的な意義について再考してみたいと思います。

 人類は有史以来、幸福と平和を求めて文明を発展させてきましたが、科学技術や経済の発展によって得た豊かな社会は、果たして私たちに幸福と平和をもたらしたのでしょうか?

 21世紀を迎えた今日、日本を取り巻く内外の事情と環境は残念ながら決して平和を実感できるものではありません。中東問題に端を発した国際対テロ紛争、米国発金融危機による世界同時経済不況、増大する中国の軍事力への懸念、そして、地球温暖化論争をはじめとする環境問題など、国際社会は先々を予測し難い混沌とした状況となってきております。また、国内に目を向けても、本格的少子高齢社会の到来と増え続ける財政赤字、毎年3万人を超える自殺者や社会問題化するワーキングプアなど、決して将来を楽観視して安穏と生活できる環境とは言えない現実があります。問題を列挙すれば暗澹たる思いに駆られる実情であると言わざるを得ません。

 しかし、私たちがもっと深刻にとらえ憂慮しなくてはならないのは、果たして私たちがこれらの問題から目を背けずに、向き合っていく勇気を持っているのか、より良い社会を創っていきたいと渇望し行動する活力を持っているのか、ということに確信が持てないことであると思うのです。

 「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」。これは、村上龍氏の小説『希望の国のエクソダス』で80万人の不登校中学生の代表の“ポンちゃん”が国会から全世界に向けて語った台詞です。一方では世界有数の成熟国家となり、空前の豊かさを手にした日本社会に暮らす多くの人々が、社会と人生に希望を見いだせないという病理に侵されている矛盾点を端的に表現して大きな反響を呼びました。

 人々の内面世界が文化を創り出し、それが形象化して社会秩序を形成します。表面化した社会の諸問題は、大きくは人と人との心が創り出す社会の文化に起因しているということができるはずです。そのような意味において、現代日本と国際社会が真に必要としているのは、人々の心に希望を与えるビジョンと、それを実現しようとする運動ではないでしょうか?

 私たち世界平和青年連合は、「One Family under God 〜人類一家族世界実現」という人類普遍のビジョンを掲げ、家族愛を動機とした他のために生きる心情文化を社会に広く定着させていくことを目指して青年運動を展開してきました。未来を担う青年たちが、利己心を克服し、より大きな平和を創り出す主役、新青年となって一大青年運動を展開することで、真の共生共栄共義社会の実現を牽引するものと確信しているからです。

 為に生きる奉仕の実践を通して、自らの存在価値を実感した青年たちの希望にあふれた眼差しと果敢に行動する姿は、社会に活力を生み出していくことでしょう。

 世界平和青年連合の会員の皆様! 新青年が日本を再生させるのだ、私たちの日々の活動が日本と世界に真の豊かさと平和を創るのだという誇りと使命感を胸に、心情文化世界建設の先頭に立っていこうではありませんか!



世界平和青年連合機関誌『NEW YOUTH』2010年4月号「巻頭言」より





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