東京都足立区の住宅で「111歳」の加藤宗現さんとみられる遺体が見つかった事件で、家族が加藤さんの死を知りながら加藤さん名義の遺族共済年金約900万円を不正に受け取ったとして、詐欺容疑で警視庁に告訴されていたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。
告訴したのは、教員だった加藤さんの妻が加入していた公立学校共済組合。警視庁は詐欺容疑で捜査するととともに、死亡の詳しい経緯などについても調べている。
千住署によると、加藤さんは、約30年前に「即身成仏したい」と自室に閉じこもり、食事や水を取らなかったとされる。部屋に残された新聞や区の広報の日付から1978年末ごろには死亡していた可能性がある。
加藤さんの妻は2004年9月に死亡。それ以降、妻の遺族年金約945万円が加藤さんの口座に振り込まれ、約600万円が引き出されていたことが判明している。
区職員が6月、「家族に加藤さんとの面会を拒否された」と同署に相談。署員が7月末、加藤さん宅を訪れて遺体を発見した。