日本の通貨(お金)は「円」。わたしたちが、貿易で外国の会社と取り引きしたり、海外旅行へ出かけたりするときには、外国のお金と交換する必要がある。この交換する割合が為替(かわせ)レート(相場)だ。日本円の価値に応じて、その割合は変わり続けている。外国と日本の通貨の関係が世界にどのような影響を与えているのだろうか。アメリカ経済の調子が悪くなった影響で、ドルに対する円のレートは上がった。円高によって、わたしたちの暮らしはどう変わるのだろうか。
通貨
国ごとに使われているお金で、アメリカはドル、イギリスはポンド、中国は元という単位。日本円は、政府が新しく作る紙幣(紙のお金)や硬貨(金属のお金)の数を決め、紙幣は国立印刷局が、硬貨は造幣局がそれぞれ作っている。
ちがう国同士のお金のやりとりを「外国為替」という。これに対し、自分の国の通貨の価値を、別の国の通貨で表したものを「為替レート(相場)」という。現在、この価値を決めるときに基準(基軸通貨という)となっているのが、アメリカの通貨であるドル。日本円とドルは「変動相場制」という制度によって、たがいの価値が上がったり下がったりしており、定まっていない。1970年代はじめまでは「固定相場制」という交換ルールにしたがって、1ドルは360円だった。
為替レートが「1ドル=120円」の時は、1ドルと交換できる円の金額が120円だ。さらに、為替レートが「1ドル=130円」になれば、1ドルと交換するために円の金額が130円かかるようになる。もともと「1ドル=120円」のレートだった時に比べて、さらに10円を払わなければ、1ドルと交換できない。これは、ドルに対する円の価値が下がったことを意味している。それを円安と呼ぶ。
一方、為替レートが「1ドル=110円」へ動いた場合、「1ドル=120円」の時に比べ、10円分少なくて交換できる。これは、ドルに対する円の価値が上がったためで、この動きを円高という。
ニュースがわかる 2009年6月号
2009年6月12日