梨元さんと喧嘩も最後は信頼ショーケン涙

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　「恐縮です！」の突撃取材で芸能リポーターの草分けだった梨元勝さんが２１日午前５時１９分、肺がんのため都内で病院で亡くなった。６５歳だった。

　俳優萩原健一（６０）が梨元さんの死に涙した。この日、神奈川県内の自宅前で取材に応じ「梨元さんお疲れさまでした。きっと天国は帰ってきた人がいませんから、とても良いところだと思いますよ。ゆっくり休んでください。さようなら」と話した。感情が高ぶり、目はみるみる赤くなったが、笑みを浮かべてしのんだ。

　２人は同郷で、小学校の先輩後輩で仲が良かった。しかし、８４年３月、梨元さんに歌手いしだあゆみ（６２）の離婚（事実婚）をスクープされ、関係が悪化した。萩原は「突撃リポーターを切り開いた人。多くの文化芸能人に嫌われて、風当たりが強かった人ですから、そういう面では私と似たところがありましたね。１回ケンカしたこともあります」と振り返った。

　最近は、萩原の自伝「ショーケン」の出版記念イベントで梨元さんが司会を務め、２人で連載の企画を練るなど、信頼関係を取り戻していた。８月に入って萩原とモデル冨田リカ（４８）との交際が発覚。梨元さんが病床で「梨元芸能！裏チャンネル」に書いた「ショーケンの恋愛は不滅　熟年のカリスマは変わっていなかった」が絶筆となった。

　萩原は「真っ先にあの人（梨元さん）が来るはずだ、と思いましたが、来なかったので、虫の知らせを感じた」と話した。６月の連載の打ち合わせの際も、せき込んでいたという。萩原は「２人で『連載をやろう』と言った時、引退するように見えました。今まで特急電車のように走ってきた人ですから。打ち合わせに同行した奥様を見て、こうなると分かってたんじゃないかと…」と話した。

　新恋人の冨田は１９日に日本テレビ系「スッキリ！！」に生出演し、交際を認める発言をした。萩原は「がんと悪戦苦闘している人に対して、私のプライベートに関してはああいう形をとりました」と話した。明言はなかったが、梨元さんのために、冨田と相談し、番組で２人の交際を伝える意図があったようだ。

　「生きていくため、家族を守るために芸能人や文化人を食い物にしていたイメージがありますけど、自分も傷ついていたんでしょうね」。萩原は「何かお手伝いしようと思っていたんです」と、思い出の会などに尽力する意向も示した。

　［2010年8月24日8時34分　紙面から］