UPDATE1: 米SEC、空売り規制案についてパブリックコメント募集へ

2009年 04月 9日 08:26 JST
 
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 [ワシントン 8日 ロイター] 米証券取引委員会(SEC)は8日、金融危機の悪化や株価の下落を招く一因になったと指摘されている空売りを規制するため、5つの案についてパブリックコメントを募ることを全会一致で決めた。期間は60日。

 提案には「アップティックルール」(直近の取引価格がその直前の価格を上回っている場合にのみ空売りを認めるルール)の復活や、最も高い買い気配を上回る価格でのみ空売りを認める「ビッドテスト」も含まれている。

 それ以外の3つ案は、株価の下落率が一定水準に達した場合、当該株式の空売りを制限する「サーキットブレーカー」を活用するもので、空売りを禁止するか、空売りにアップティックルールまたはビッドテストを適用する。

 ビッドテストを用いたサーキットブレーカー案は、ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEユーロネクスト 、ナスダック市場を運営するナスダック・ストック・マーケット、BATS取引所を運営するBATSトレーディングが支持している。

 SECはこの問題について5月5日に会合を開くことを明らかにした。最終的な措置の決定には2―3カ月かかる公算が大きい。

 トレーダーやファンドマネジャーの間では、住宅バブルの破裂や金融機関による無謀な取引によって起きた株価急落について、空売りが悪者扱いされているとの見方が多い。シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントのヘッジファンドマネジャー、ダグ・カス氏は「問題は、銀行やブローカーの経営陣が無茶をしたことにある。空売りが問題なのではない」と語っている。

 キャスリーン・カセイ氏らSEC委員の一部も、2007年の「アップティックルール」廃止がその後の株価急落につながったとの見方を懐疑的に受け止めている。

 しかし、SECのシャピロ委員長は、SECに対して空売り問題への対処を求める圧力が高まっていると指摘、「SECは提案された規制案がもたらす潜在的な利益とコストのバランスをとる必要があると認識している」と述べた。

 SECに対して「アップティックルール」の再導入を求める法案を提出した民主党のエドワード・カウフマン上院議員と共和党のジョニー・イサックソン上院議員は、SECが空売り規制に乗り出したことを歓迎する考えを表明。

 著名投資家のジョージ・ソロス氏も、6日行われたロイター・フィナンシャル・テレビとのインタビューで、空売りを規制する一定のルールを再導入することを支持する考えを示していた。

 具体的のどのような規制策を取るかについてはSECの中でも見解が分かれており、トレーディングおよびマーケット部門ディレクターのエリック・シリ氏は、SECのスタッフは伝統的な「アップティックルール」よりも、実施しやすい「ビッドテスト」の方が望ましいと考えていると明らかにした。

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