中国の影響力は予想より速いペースで増大する=ソロス氏
[上海 7日 ロイター] 米著名投資家のジョージ・ソロス氏は7日、中国の国際的な影響力は予想よりも速いペースで増大すると述べた。中国の金融システムが世界から隔離されていること、銀行セクターへの政府の関与が大きいことが中国経済の早期回復に寄与するためとしている。
ソロス氏は上海の復旦大学で講演し「中国の銀行部門が国際的に隔離されていることで、中国はさまざまな意味で恩恵を受けており、中国の銀行部門は国際銀行システムと比べて良好な状態を保っている」と述べた。
また同氏は中国では銀行部門への「政府の影響が大きい」と指摘。「政府が貸し出しを増加するよう要請すれば、銀行は貸し出しを増加させる」と述べ「こうしたことが中国が景気後退(リセッション)から早期に抜け出すための手助けとなっており、実際にそのとおりの展開になっている」と語った。
そのうえで「中国は国際社会、および市場で主要な地位を占める国となり、その結果、中国が持つ力と影響力は増大する。個人的な見方だが、多くの人の予想よりも速いペースで中国の影響力が増大するとみている」と述べた。
また中国政府の4兆元の景気刺激策は景気浮揚に奏功したと指摘。「もし、この刺激策が十分でない場合、政府は追加策を導入する構えだ。政府はまたクレジットの提供や海外投資促進などを通して輸出を底上げする構えだ」とも述べた。
中国の資産市場の動向については「多少慎重な見方をしている」とし「先行きが不透明なため、自分の全資産を(中国の)株式などの資産につぎ込むほど楽観的ではない」と述べた。
ただ「中国経済には将来性がある。要は、中国への投資を控えるのではなく、正しい投資先を見極めることだ」と述べた。
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