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裁判員のための刑法入門  2009年5月29日 更新

教唆犯

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 第15回目の今回は、「教唆犯」について説明します。前回説明したように、刑法上の共犯には、(1)共同正犯、(2)教唆犯、(3)幇助犯の3種類があり、今回説明する教唆犯は、人を唆(そそのか)して犯罪を実行させた場合に、その唆した者を処罰するものです。

 教唆犯は、正犯の刑を科すると定められており、条文上は直接罪を犯した者と同じ刑を科されることになっています。したがって、裁判官は正犯と同じ刑の範囲の中から、正犯との関係性などを考慮しながら、言い渡す刑を決めることになります。
  もっとも、教唆犯と前回説明した共謀共同正犯の指示・命令型の区別が難しく、実務では直接本人の責任を追及できる共謀共同正犯として起訴されることが多いようです。

 このような事情から、あまり脚光を浴びることのない教唆犯ですが、例外は自殺を教唆した場合です。そもそも、自殺は犯罪とはなりません(被害者本人による本人の殺害は殺人罪とならない)。教唆犯は実行犯の行為が罪となって初めて問われるものですから、本来自殺の教唆は不可罰となるはずです。しかし、生命の重要性の観点から、通常の教唆犯とは別に、罰せられることとされています。

 次回は、「幇助犯」について説明します。

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