志気の第一条件は「共通の目的」、第二条件は「各個人の役割意識」、第三条件は「我々感情(仲間意識)」である。集団が共通の意識を持ち、すべての構成員が同じ目的意識と、自分の役割意識を意識して、同じ目的のために努力するということになると、集団の団結力は強まり、凝集力が生まれる。 |
1.共通の目的を持つ 2.役割意識を持つ 3.仲間意識を持つ |
2 船井流のヤル気づくりの原則に「1:1.6:1.6」の法則という考え方があります。強制されて仕事をした場合の成果や効率を一とすれば、納得して仕事をした場合はその一.六倍、自分たちで知恵を絞って企画に参加して仕事をした場合は、一.六乗倍の成果や効率がえられるというものです。 |
たとえばそんなふうに、マラソンのレース運びは微妙で、むずかしいものらしい。 高橋尚子選手の名古屋国際女子マラソン優勝は、大変なことだ。しかし、二選手の体験談を読むと、これは考える以上に偉業なのだ、と思えてくる。 なにしろ挫折につぐ挫折。「いつ振り返っても、時間は世界選手権を故障欠場した「去年の八月で止まったままで」「十月、十一月も暗い日々を送っていた」うえ、今度のレース前の調整も狂っていた。最後の名古屋で好タイムで優勝しなければ、五輪への切符は手に入らない。五輪以上の重圧だったに違いない。 小出監督は「大丈夫だよ。大丈夫だよ」と励まし続けた。高橋さんもこたえた。「だんだんその気になってきて、これまで全部否定だったものが全部肯定になるチャンスが名古屋にはある、って切り替えたら、それを全部プラスにしようって気持ちで臨むことができて」。褒めること、安心させることの大切さ。 「この子は人がいい仕事をしときに、同じく自分で喜べる心を持っているんですよ。すなおに一緒に喜べる。人間これが大事かなって、ぼくも教えてもらってるんですよ」。小出さんのこの話もいい。 |
それは確かに、美しい形容してもいいシーンだった。十二日の名古屋国際女子マラソン。優勝した高橋尚子は小出監督に抱きついた。「監督がいつも太陽なように私を照らしてくれました」「おれについてくれば大丈夫、と監督はいつも言ってくれました」 |