北秋田市の公立米内沢総合病院労組(庄司義英委員長)の組合員22人が23日、病院を運営する北秋田市上小阿仁村病院組合(管理者・津谷永光北秋田市長)を相手取り、11年3月末付の分限免職処分方針差し止めを求め秋田地裁に提訴した。
訴状によると岸部陞(すすむ)・前管理者(前北秋田市長)は同労組に対し09年4月、病院統合と市民病院新設、米内沢病院の市立化など05年時点の計画や構想に基づいて「労組と十分協議し、合意形成して職員配置を進める」と回答。津谷管理者も09年6月に「『適切な配置転換が重要』とした国の考えを踏まえ、最大限努力する」との労使協定を締結していた。
だが津谷管理者は今年1月、同病院の診療所化と11年3月末の病院組合解散、職員全員の分限免職方針を表明。2月の団体交渉で「前管理者の計画は過去の話」と述べ、その後は労組が求めた団交に応じていないという。
県庁で会見した原告側は「直前まで交渉し分限免職回避の努力をするのが普通で、極めて乱暴」と非難。同病院組合は取材に対し「訴状を見ていないのでコメントできない」と話した。
市医療構想策定委員会は25日、津谷市長に新しい構想を答申する。【岡田悟】
毎日新聞 2010年8月24日 地方版