急増する65歳以上の高齢者の万引きを防止しようと警視庁は9月から、万引きの検挙者に社会活動への参加を促し、立ち直りを支援する。警視庁が昨年行った約200人を対象にした調査で、検挙された高齢者の3分の1が「孤独」や「生きがいのなさ」を抱えていたことが判明しており、地域社会とつながりを持ってもらうことで、万引き抑止を図る狙いがある。こうした支援がどのような効果があるか200人を対象にした追跡調査を行う。【町田徳丈】
警視庁によると、新宿、渋谷、立川など20署管内で検挙された50歳以上を対象に、警察署の行う防犯活動や、警視庁が協力を要請した市区の地域活動への参加を呼びかける。
検挙者には、困り事の相談先を持っているか▽ボランティア活動への意欲--など15項目程度の聞き取りを行う。このうち生活支援を受けると回答した100人に警察官が3カ月ごとに電話をかけて生活状況や心理状態を聞く。
1年後に再び同じ項目で100人に調査を実施する。支援を受けなかった100人にも同じ調査を行って、万引きへの意識に差があるかを比較し、今後の支援策に生かす考えだ。
09年に東京都内の万引きで検挙された高齢者は3110人で、検挙者に占める割合は21.0%。20年間で約10倍になった。以前は少年の割合が半数にのぼり、「万引きといえば少年犯罪」というイメージが強かったが、高齢者の割合は03年に10%を超え、その後急増し、高齢者対策が迫られている。
警視庁は「規範意識の低下が影響しているのではないか。追跡調査を踏まえ、どのような支援が有効か探りたい」とし、社会参加活動を通した高齢者の変化に期待している。
毎日新聞 2010年8月20日 12時48分(最終更新 8月20日 13時11分)