「韓相烈牧師、北朝鮮の指令受け反米デモ」
検察、容疑を追加し拘束令状請求
ソウル中央地検公安第1部(イ・ジンハン部長)は、「無断で訪朝し、北朝鮮を称賛した」として韓国進歩連帯常任顧問の韓相烈(ハン・サンリョル)牧師(60)に対し拘束令状を請求したが、この際、韓牧師が北朝鮮の指令を受け、反米デモを主導したという容疑も令状に加えていたことがことが分かった。
検察・警察・国家情報院からなる合同捜査団が22日に明らかにしたところによると、韓牧師は2006年4月に韓忠穆(ハン・チュンモク)進歩連帯共同代表(52)=逮捕=らと共に、北朝鮮の統一宣伝部に所属する工作員と開城で会い、「反米・反保守闘争を強化せよ」「反米闘争を大衆化せよ」という指令を受けたとされている。当時、「南北交流協力」の名目で訪朝承認を受け、北朝鮮入りした韓牧師は、韓国に戻ってから平沢米軍基地反対、韓米自由貿易協定(FTA)阻止などの反米デモを主導した、と公安当局は話している。
検察は同日、韓牧師が今年6月12日に政府の承認がないまま訪朝(国家保安法の潜入・脱出)し、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長など北朝鮮側の主要人物と接触(会合・通信)、「李明博(イ・ミョンバク)は韓国海軍哨戒艦『天安』殺人の元凶」などという内容の記者会見(称賛・鼓舞)をしたとして、拘束令状を請求した。韓牧師は平壌での記者会見で、「『天安』事件は米国と李明博政権の合同詐欺劇」「南の同胞たちは金正日(キム・ジョンイル)国防委員長様(総書記)の謙虚な姿勢、豊かなユーモア、知恵と決断力、明るい笑顔に深い印象を受けた」などと北朝鮮を称賛する発言をしていたことが捜査で明らかになっている。
公安当局は21日、韓牧師の自宅を家宅捜索し、韓牧師が普段から考えをまとめていた書籍 2冊と訪朝写真10枚を押収した。だが、検察関係者は「韓牧師はあらかじめ家宅捜索を予想していたのか、意義のある証拠は見つからなかった」と話している。韓牧師は現在、公安当局の捜査に黙秘権を行使している。韓牧師の拘束令状請求が認められるかどうかは、23日にソウル中央地裁で行われる令状実質審査で決まる。
柳井(リュ・ジョン)記者