2万5000円で売られる脱北女性、国際会議で証言(下)

 キム・ミランさんは「北朝鮮の保衛部員は中国で捕まった妊婦を見ると、『犬(中国人を指す)の子をはらんだ』と言って、外に連れていき強制的に中絶させる。堕胎によって監獄で大量に出血しても、まともな治療を受けられずに死んでいく女性が多い」と証言した。

 キムさんはまた、「平安南道の甑山教化所に収監されていたころ、遺体を埋める裏山を『花の山』と呼んでいた。人が死ねば埋葬しなくてはならないが、冬になると地面が凍って深く掘ることができず、人の手足を折って簡単に土をかぶせるだけだった。その際、つぼみのような起伏ができていたからだ」とも話した。

脱北者を難民認定すべき

 米ブルッキングス研究所のロベルタ・コーヘン上級研究員は、「中国は難民の地位に関する条約の締約国でありながら、難民認定手続きがなく、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対しても、中国にいる脱北者との接触を認めていない。他国の難民には中国定住を認める一方で、搾取や人身売買にさらされた脱北者に難民の地位を認めないのは国際法に違反する行為だ」と指摘した。会議の出席者は、北朝鮮の人権改善に向け、国連組織と共に脱北者の強制送還など人権侵害の実態を世界各国に伝えていく努力を続けることで一致した。

 今回の会議は、韓国の北韓人権市民連合、カナダの北朝鮮人権問題に関する青年団体「ハンボイス」が共催したもので、米国立民主主義基金、朝鮮日報社などが後援した。ハンボイスは韓国系2世の青年らが中心となり、北朝鮮の人権問題に対する怒りから2007年にトロントで設立された団体で、約200人のメンバーが活動している。この組織には、ユダヤ人3世ら外国人も20%含まれている。

トロント(カナダ・オンタリオ州)=アン・ジュンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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