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平成22年8月6日

南北首脳会談、賄賂は15億ドル−元韓国情報機関員が暴露本、金大統領 側近と金総書記長男、日本で密談

 【ソウル上田勇実】2000年の南北首脳会談で韓国が北朝鮮に提供した賄賂は、これまで知られていた額の3倍の15億j(約1275億円)に達していた――。韓国情報機関・国家情報院(国情院)の元職員が、今月10日に出版される著書「金大中と大韓民国を語る」の中で明らかにしたところによると、金元大統領は2000年の南北首脳会談のため北朝鮮の最高指導者・金正日総書記に総額15億jの賄賂を提供することで合意したという。これまで特別検事による捜査で明らかになった賄賂総額は約5億jだった。

 資金づくりには財閥・現代グループがかかわり、賄賂は韓国から一時的にドイツやフランスなどにある国情院の支部を経由して海外に送られ、現地でユーロ貨に換金された後、北朝鮮に送金された。

 賄賂をめぐる交渉には、金元大統領の側近であった青瓦台(大統領府)の第一付属室長と金総書記の長男・正男氏が当たったといい、双方は主に日本で密談を繰り返し、2000年4月ごろに交渉が終わった。

 天文学的額の賄賂を受け取った金総書記は、それを元手に核兵器開発に必要な関連物資をパキスタンやカザフスタンなどから、ロシアからは潜水艦や戦車をそれぞれ購入したという。

 また同書は、金元大統領がノーベル平和賞を受賞するため無理に南北首脳会談を推進しようとし、政権次元でロビー活動を行ったと指摘。平和賞選定に大きな影響力を持つ関係者を韓国に招待し、南北離散家族再会事業の会場に極秘に案内し、感激的な場面を直接見てもらったなどと紹介している。

 著者は金泳三・金大中両政権にまたがる約8年間、国情院に所属し、現在は亡命申請先の米国に在住する。国情院が政界や財界、マスコミなどを対象に違法な盗聴を繰り返していた事実が発覚して波紋を広げた05年のいわゆる「Xファイル事件」を韓国紙・朝鮮日報がスクープした際に決定的な役割を果たした。

 同書には「歴史的」ともいわれる南北首脳会談の実現やノーベル平和賞受賞などに至る経緯で数々の不正があったことが記されており、特に金元大統領の晩年の功績に対する評価が揺らぐ可能性もありそうだ。

 同書の一部は既に03年に書き上げられていたが、金元大統領の知られざる素顔に迫っていることなどから、多くの出版社が名誉棄損などで訴えられるのを恐れ、日の目を見ずにいた。

 一方、同書が出版される10日は、一周忌に合わせた「金大中自叙伝」の出版記念会がソウル市内のホテルで行われる。



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