高麗博物館の山田理事長(右)の講演を聞き、日韓併合について考えた集い |
長野市篠ノ井会の日本基督教団篠ノ井教会は22日、1910年の日韓併合条約の調印から丸100年を迎えたのを機に、同条約の歴史的な意味などを考える集いを同教会で開いた。関心のある市民ら約40人が参加。「高麗博物館」(東京都新宿区)理事長の山田貞夫さん(72)が講演し、「植民地支配時代の課題は現在もまだ多く残っている」などと話した。
同博物館は市民有志らが2001年12月に開設。日本と朝鮮半島の関係について展示しているほか、各地で出前講座などを開いている。山田さんは講演で、課題として元従軍慰安婦への補償や在日韓国・朝鮮人に対する差別などを挙げ、特に対北朝鮮では国交が正常化されておらず「問題は何も解決していない」と指摘した。
質疑応答で、国交正常化との関連で北朝鮮の拉致問題を懸念する声が参加者から上がり、山田さんは「別の問題として、韓国併合とは切り離して考えるべきだ」とした。
篠ノ井教会の山本将信牧師(72)は「加害の歴史を考えることは自虐ではなく、朝鮮半島やアジアの人たちと新しい関係を築くための推進力になるはずだ」と話していた。