松井裕紀子目次  ◆トップ頁 團伊玖磨全仕事
OTOの会企画コンサート 子供が弾くピアノ・管・弦楽器のための新作
”わたしにもひけるかな?”
第10回記念コンサート
ごあいさつ
                     

本日はOTOの会主催“わたしにもひけるかな?”第10回記念コンサートにおいでいただき、誠にありがとうございます。「子どもと音」をテーマとしたOTOの“わたしにもひけるかな?”シリーズも、ついに第10回を数えることとなりました。これも、子どもたちのために惜しみなく、いつも暖かい拍手を送ってくださる皆様の大きなご支援がありましたからこそと、心より感謝申し上げます。
1997327日に開催されました第1回“わたしにもひけるかな?”の折りには、「子どもがコンサートで新作を初演する」などという大冒険に、作曲者も指導者もおおいに緊張していたものでした。しかし、新作も何のその。堂々と、そして実に楽しそうに、書き下ろされて間もない作品を弾きこなす子どもたちの姿に、作曲家たちはおおいに勇気付けられたものです。そして、また1作、また1作と、作品を書き続けてまいりました。当シリーズで誕生した作品の数は優に150を越えています。指導者たちは、いまだ聴いたことのない作品を音にする難しさと面白さを子どもと一緒になって体験し、音楽家として今を生きる意味を考え続けてまいりました。
“わたしにもひけるかな?”に出演して新作の初演という冒険に関わってくれた子どもたちは、一体何人になるのでしょう…?この中からは、後に音楽を専門に学ぶことになった子どもたちが何人も輩出しています。第10回記念コンサートのために、2人の作曲家会員がお祝いの室内楽作品を書き下ろしましたが、本日それを初演いたしますのも、そうしたOTOの会OGOBとも言える若き演奏家たちです。第1部と第3部、それぞれ冒頭にこの新作室内楽のお披露目がありますので、お楽しみください。
2部にては35人の子どもたちによる打楽器アンサンブル「おくりもの」が演奏されます。
「アリパパと
40人の盗賊」「あんたがたボレロ」に続く、末吉保雄作曲による子どものための大掛かりなアンサンプル作品の第3弾です。今回は、声(言葉)は登場しません。使用する楽器は手作りの太鼓などが中心です。抽象的なリズムの構築から生み出される豊穣な音楽の世界を、身をもって体感できる子どもたちは、たいへん幸運であると言えるのではないでしょうか。
誠に盛り沢山な内容の第10回記念コンサートですが、最後までゆっくりとお楽しみいただけますのなら幸いです。そして、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。200743

OTOの会”会員:
麻生信子・伊倉由紀子・井上尚子・岩下周二・岩坪昌代・大家百子・尾形久美

岡本佳織・小田百合子・加藤伊津子・香取康子・川上優子・川野直史・菊池愛木原福子・久木山直
日下部満三・工藤ひとみ・小崎光洋・後藤浩明・佐藤公一郎
塩野衛子・重松万里子・末吉保雄・高木道子
高柳朗子・辻井雅子・当摩泰久
戸田多佳子・永易まゆみ・西田恵・橋本忠・パップ晶子・平井京子・平野さゆり平部やよい・深澤舞・福田恵子・松井裕紀子・松田昌子・松山邦子三上直子三瀬和朗・三瀬あけみ
溝渕奈緒子・宮本一・
室井摂・毛利十紀子・森川孝太朗・柳生規子・山田英り子・李種姫
(赤文字:休会中)

“OTOの会”について:
“OTOの会”は、音を大切にし、音と人との関係を丁寧に考えていこうという趣旨のもと、作曲
家、ピアノ・ヴァイオリン指導者、音楽研究者などが集まって1996年に発足いたしました。
活動は大きく二本の柱より成っ
ています。そのひとつは「現代と音」をテーマとした新作コンサートシリーズでありますが、毎回優れた演奏家をソリスト
としてお招きし“OTOの会"作曲家メンバーがその演奏家のための新作を書き下ろし、それらの作品によるリサイタル形式の演奏会を開催しています。
このような形で1999年以来7度にわたるコンサートを催し、数多くの作品を発表してきました。柱のもう一本は「子どもと音」をテーマとした“わたしにもひけるかな?’’のシリーズです。その他、音楽講座や公開レッスンも随時開催しています。詳しくは、ホームページをご覧下さい。