警視庁渋谷署の留置施設内で今月16日、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された男(43)が、弁護人の差し入れたかばんに入っていた柳刃包丁(刃渡り約24センチ)で腹を切り、自殺を図っていたことが分かった。男は軽傷だった。差し入れ品に危険物が含まれていないか確認するよう内規で定められているが、署員はかばんの中身をチェックしていなかった。
警視庁留置管理1課によると、16日午後、男の弁護人が渋谷署3階の留置室受付カウンターを訪れ「男から頼まれた」とかばんを署員に手渡した。その際に署員は中身を確認せず、留置担当官に渡した。担当官が男の立ち会いでかばんを開けたところ、男は突然、中にあった包丁を取り出し、自分の腹を切った。弁護人が中身を知っていたか、誰から渡されたかは不明という。
同課の川津良幸課長は「詳細は調査中だが、再発防止に努めたい」と話している。【神澤龍二】
毎日新聞 2010年8月23日 13時07分(最終更新 8月23日 13時15分)