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中国での臓器狩りの制止を呼びかけるマタス人権弁護士(大紀元)

カナダの人権弁護士、国際移植学会で中国の臓器狩り実態を明かす

 【大紀元日本8月23日】8月15日からバンクーバーで開かれた国際移植学会ではじめて、カナダの著名な人権弁護士デビット・マタス氏が、中国での法輪功学習者を対象とする臓器狩りの実態を暴露し、 この問題を重視し制止するよう、国際社会に 呼びかけた。

 2年に1度開催される国際移植学会の第23回大会は、15日から4日間の日程で、主に臓器移植の科学と臨床の研究成果について交流し、あわせて臓器移植に関する倫理的な指導を行うのが主旨であった。 17日、マタス人権弁護士は「中国での臓器移植の犯罪を制止せよ」と題する講演を行った。マタス氏は中国大陸での法輪功学習者に対する臓器狩りの実態調査を説明し、同学会に対し、行動で制止するよう呼びかけた。

 マタス氏は、「この事件に対して調査を通じて得た結論は、拘禁されている法輪功学習者は同意なしで臓器を摘出され、生命を失っている」と切り出し、「臓器狩りの手術を行ったのは中国の医者と病院だが、責任を担うのは中国政府だ。中国では、政府の許可なしでは何もなしえないからだ」と指摘した。この事件を制止するためには、「人々は公に反対行動を展開すべきであり、この問題に対して発言し、本国での臓器移植についての立法を強化する必要がある」と提案し、「この罪悪は直ちに中止すべきだ」と締めくくった。

 マレーシアの臓器移植専門家アハマッド氏は、マタス弁護士の講演後、これまでに収集した中国での臓器移植の関連資料を開示して、同臓器狩りの信憑性を支持すると表明した。

 アハマッド氏によると、マレーシアでは90年代半ばから、毎年、数十人の患者が中国に渡って臓器移植を受けているという。「待機期間は早ければ数日間、長くても数週間から数か月だと中国側から告げられる。しかも、移植後に拒絶反応があれば、数日後に新たな臓器が提供される仕組みになっている」と同氏は説明した。

 また、講演後、米国の著名な臓器移植専門家で、ハッケンサック大学の医学センターで臓器移植の主任を務めるマイケル・シャピロ(Michael Shapiro)氏は、マタス弁護士の指摘した事実を信じると明確に態度を表明し、中国共産党政権が臓器提供の透明度を高めるよう、国際社会への情報公開と監督受け入れを求めた。

 アムネスティ・インターナショナルの代表も大会に参加し、世界各国の専門家に対し、中国での法輪功学習者への臓器狩りに関心を示すよう呼びかけた。

 マタス弁護士によると、国際製薬メーカー「ノバルティス 」は、すでにアムネスティの呼びかけに応じて、中国での移植用薬物の臨床試験を中止したという。

 今後ますます多くの国際組織がこのような行動を起こすであろうと、同弁護士は期待を示している。

 中国人医師の元妻で2006年初めに渡米した女性が、眼科医の夫が実際に監禁中の法輪功学習者の角膜の摘出に参加したことを告発した。それをきっかけに、マタス弁護士はカナダの前連邦議員で元外交官のデビット・キルガー氏と連携して独立調査を行い、2007年7月に詳細な調査報告書を公表した。報告書では30以上の証拠が採用され、「中国での法輪功学習者を対象とする臓器狩りは紛れもない事実である」と結論づけた。カナダ国内では昨年、さらに多くの証拠を集めた調査報告書が『血まみれの臓器摘出』(“Bloody Harvest, The killing of Falun Gong for their organs”)として出版されている。

(記者・邱晨、翻訳編集・叶子)


 (10/08/23 08:11)  





■キーワード
臓器狩り  移植  法輪功  マタス  国際移植学会  バンクーバー  


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