「加害者の声を記録する責任感じた」(上)
- アリランTVのパク・ヒョンシル・プロデューサーは「年を取り、自分が生きている時代、韓国の歴史を記録する責任感のようなものをとても感じた。次は韓国戦争(朝鮮戦争)関連のドキュメンタリーを撮りたい」と言った。/写真=趙寅元(チョ・インウォン)記者
旧日本軍「ざんげの証言」ドキュメンタリー制作
アリランTV・パク・ヒョンシル・プロデューサー
旧日本軍兵士にインタビュー「つらい、韓国に申し訳ない」涙ながらに謝罪
今年1月から6カ月間、アリランTVのパク・ヒョンシル・プロデューサー(40)は日本全国を回り、第2次世界大戦に参戦した旧日本軍兵士を訪ね歩いた。生きている人間を解剖した元軍医、敗戦で負傷者を安楽死させた元従軍看護師、朝鮮人兵士のおかげで命拾いしたという元兵士、朝鮮人従軍慰安婦が歌った「アリラン」を覚えているという元兵士…。この日本人4人がカメラの前に立った。「今も戦争の記憶はとても鮮明に残っている。つらいし、申し訳なく思う」と涙をこぼす人々のインタビューが『告白』というタイトルのドキュメンタリーとして22日夜8時から放映される。
「加害者である旧日本軍兵士たちの肉声を引き出した初の試みです。こうした人々が亡くなる前に戦争体験を記録に残さなければならないと思いました。最初は周囲の人々に止められました。60年以上前の戦争の話ということや、まかり間違えば加害者たちの考えを代弁しているかのように受け取られる可能性もあるからです。韓国人はまだ、彼らの『告白』を受け入れる準備ができていないというのです」
元兵士らの追跡や取材交渉が困難を極めた上、昔の記憶を呼び起こすため、長い説得の時間も必要だった。3分間の放送シーンを作るのに、インタビューだけで一人2-3時間かかった。現在90歳代と、高齢になった人々の口からは「日本がかつて、どれほど大きな過ちを犯したのか、最近の人たちは全く聞こうともしない」といううっぷんや、「戦争がわたしの人生のすべてを奪っていった」という嘆きもあった。
パク・プロデューサーは戦争経験がない世代にもマイクを向けた。戦争に対する日本国内のさまざまな視点を盛り込もうと思ったのだ。「慰安所のような場所はないと習った」「韓国人たちはどうしてずっと謝罪しろと言うんだ」といった反応も多かった。しかし、「日本は過ちを犯した。そして、わたしは謝罪し、償う国の国民になりたい」という人も少なくなかった。