現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 医療・健康
  4. 健康・生活
  5. 記事

お年寄りに救急医が警鐘 エアコンを敬遠しないで

2010年8月22日21時57分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 「日本の夏の過ごし方は変わった。かつての経験には頼らないで」

 日本救急医学会の「熱中症に関する委員会」委員長の三宅康史・昭和大学医学部准教授はそう呼びかける。

 エアコンを敬遠する高齢者に、どうやってスイッチを入れてもらうか――。これが、熱中症対策に取り組む関係者の間で深刻な問題となっている。

 東京都杉並区の介護事業者によると、エアコンの人工的な風を嫌い、熱中症や脱水症になる高齢者は多い。就寝中に尿意をもよおすのを避けるため、寝る前に水を飲むことをためらう人も多いという。

 埼玉県内の団地の自治会役員(67)は、近所の80代の女性の家を訪れた際、室内にこもる熱気に驚いたことがある。窓は閉め切られ、エアコンにはカバーがかけられていた。女性は「風が体に障る」とエアコンを使っていなかった。

 三宅准教授によると、高齢者は汗をかいて体温を調節する機能が低いうえ、感覚が鈍いため、気温の上昇に気づきにくく、屋内でも重症化しやすい。にもかかわらず、「体に良くない」と、エアコンを敬遠する高齢者は多い。

 そこで、三宅准教授は、お年寄り世帯に、湿度も測れる温度計を置くよう提案する。望ましいのは快適な室温28度、湿度60%以下だ。エアコンの冷気が気になるのなら、扇風機で風を拡散させたり、窓を開けたりするのもいいという。

 高齢者の体に優しいエアコンの使用例について、大手メーカーのダイキン工業(大阪市)は「体に直接当てず、風を上向きにして」と助言する。冷たい空気は下に向かうので、効率よく部屋が冷える。同時に扇風機の風を壁に当てると、「そよ風」になり、熱をもった壁も冷やせる、と説明する。

関連トピックス

検索フォーム

おすすめリンク

中国と韓国が文化の領域でも存在感を増している。日本文化の国際的な存在感に変化は?

服に小物、メークまで、朝日新聞のファッション担当編集委員が「次に来るモノ」をいち早く解説します。

戦前の甲子園出場、日本プロ野球での活躍、五輪協議化に向けた連携、韓国プロ野球の設立。日韓両国民が愛した野球は、多彩な交流の歴史を残した。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

病院検索

powered by cocokarada

  • 診療科目から
  • 歯科医院

総合医療月刊誌「メディカル朝日」