アシュケナージのアルプス交響曲


生まれ変わったら金管奏者になりたい。そして、アルプス交響曲を吹きたい。どうも、キモメンです>挨拶
この挨拶もお久しブリーフだと思う今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
前回に続いて、指揮者アシュケナージの(勝手に認定した)代表録音です。

R・シュトラウス:アルプス交響曲 op.64
ウラディミール・アシュケナージ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
Rec:1999年3月21-22日
CANYON Classics  POCL-00509
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アシュケナージの同曲録音はDeccaにおけるクリーヴランド管の録音が評判高いみたいで、今でもちょくちょく復刻されてます。でも、今回、僕が聴いて欲しいのはチェコフィル盤の方です。(これら以外にもEUユース管弦楽団を振った2種類の録音があるらしいけど、未聴)
さて、この録音においては、チェコ・フィルのコンディションがまず素晴らしいですね。古き良き東欧のオーケストラの美点だけを結集したような、低音を基調とした透明感のある弦楽器、瑞々しい木管、鋭さと繊細さを併せ持つ金管、そして、それらのすべてのセクションの理想的な内声バランス。繊細で明快な響きと迫力を両立させた音でしょう。
アシュケナージも、それを活かして骨太の音楽を奏でています。「林で道に迷う」〜「幻」にかけての緊張感をもった運びから生み出される荘厳さは、まさにアルプスの光景という感じ。(登った事ないけどね)
序曲「オセロ」に続いて、オススメの録音なので皆さん聴いてください。併録の「ばらの騎士」からの抜粋ワルツ集もR・シュトラウスファン的にありがたい。

アシュケナージの序曲「オセロ」


ドヴォルザーク:序曲「オセロ」 op.93
ウラディーミル・アシュケナージ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
Rec:1999年5月21-22日
EXTON  KJCL-00010
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ターリッヒやアンチェルのような所謂、餅は餅屋的な名演が存在する中、僕は一時期アバド/BPO(DG)の録音が最も好きで、同録音が発売されてからしばらくは序曲「オセロ」のベストはこれだと思っていた。
そして、アバドと同時期にアシュケナージも同曲を録音していたがXTON盤の単価の高さから購入の優先順位は低く、初出からしばらく経ってから聴いたのだった。

これほどにドラマティックで悲劇的な演奏は他にない(断言)。普段は大人しめのアシュケナージがちょくちょく唸り声を出すほどの入魂の演奏で、冒頭の弱音部における深い呼吸を感じさせる滑らかな響きから、中盤からの盛り上がりが非常に素晴らしい。
全ての音が有機的に関連付けられており、幾度かの頂点に向かって厳然と連なっていく。聴いていて一瞬たりとも気の抜けない演奏なのだ。ケイマルを干そうとしたりしたせいで、あまり良好な関係とはいえなかったチェコフィルとアシュケナージのようだが、この録音ばかりはオーケストラと指揮者が一体になった最高の名演と言えるだろう。

アシュケナージの1812年の時にもちょろっと触れているけど、僕は指揮者アシュケナージに肯定的で、それなりの数の録音を集めてる。そして、このオセロはその中でも最高のものだと、ひそかに思ってたりする。自信を持ってオススメ。
ちなみに、この録音はOndineからライセンス発売されていて、そちらの方が安い(17ドルぐらい)で売られている・・・が、契約の関係からか日本には入っていないので聴きたい人はEXTON盤を買うしかなさそう。
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エッシェンバッハの幻想交響曲

惰眠を貪るつもりが、暑さで早くに目が覚める日曜日。

ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14
クリストフ・エッシェンバッハ
パリ管弦楽団
Rec:2001年2月14-15日
BEL AIR CLASSIQUES BAC016
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エッシェンバッハはライヴで激情型の演奏をすることで、一時期話題になっており、パリ管の幻想交響曲のライヴも以前BSで放送された際はかなりの反響を得た。らしい。・・・・・・というのも、僕自身は、その放送を見逃してしまったのだ・・・。
その後、2002年のスタジオ録音がnaiveから発売され、その深い洞察に感動したものの「BSで放送されたという演奏は、これ以上のものだったのかな」という思いと共に「見逃すとは、勿体無いことしたなぁ」と後悔していたところ、店頭でこの2001年のライヴのDVDを発見し、購入してみたという次第。

さて、聴きだしてみると期待通りの熱演だった。芯のある音でガッシリと演奏しているので、旋律線が濃厚に鳴らされる。特に4楽章からは強めのアタックで各所が強調され、この曲の持つグロテスクさを伝えてくれる。エッシェンバッハはここに来てオーケストラを煽りまくり、どんどんテンションを上げていく。これはかなりセンセーショナルな演奏だと思う。
前述の通り、BSで放送された演奏は見逃してしまったので、今回のDVDの演奏と同一かは判断しかねるけど、このDVDの演奏はスタジオ録音とは打って変わっての白熱した演奏でとても満足した。

ついでに、あえて言わせてもらうならば、このDVDの正しい楽しみ方は「目を閉じて聴く事」だと思う。
何故ならば、カメラワークに少々ならぬ不満が残ったからだ。指揮者の顔や手をドアップで映したり、弦楽器の一部(指板や駒近辺など)をフューチャーしたりする場面が多い半面、オーケストラを引きで全体的に映すような場面は少なく、そして、引きで映したとしても斜めに傾いていたりするのだ。個人的に、各楽器の見せ場はともかくとして、パート全体やオーケストラ全体を軸とした収録をして欲しいと思っているので、この点が気になってしまった。それと、そもそもの画質が21世紀のものにしては良くない。
勿論、音を聴くだけなら何の問題もないし、こういうカメラワークが好きな人も中にはいるとは思うが、一時間弱のこの曲を映像で見ていた僕は「トレモロをしている弓の先っぽがガタガタ震えるのを映してどうするの?木管奏者の口元だけアップで見せてどうするの?エッシェンバッハはカッコいいよ!カッコいいけど・・・もうエッシェンバッハの鼻の穴は見飽きたんだけど・・・」という気持ちになったので書いておきたかった。それだけ。

タベア・ツィンマーマンをソロに迎えた併録の「イタリアのハロルド」が、とんでもない名演のような気がするんだけど、まだあまり聴き込んでないので今回はスルーで。

キタエンコのマンフレッド交響曲

最近、この曲のCDの数が増えてきたように思う。大変結構!

チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 ロ短調 op.58
ドミトリー・キタエンコ
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
Rec:2009年3月29-31日
OEHMS  OC 665
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コバケン/チェコpo以来、2枚目となるSACDでのマンフレッド協奏曲。演奏中の唸り声がありEXTONの偏重気味な録音であるコバケン盤の事を考えると、SACDとして初めて(オーディオ的な意味で)マトモな録音がキタエンコの指揮によってリリースされたという事になる。

一楽章は冒頭からゆっくりと重厚に始まり、弦楽器の荒涼とした響きの上で、木管楽器もまた重い音を出している。アルプスの山中で何処に行けばいいのかもわからず、彷徨うマンフレッドの絶望的な心境がそのまま伝わってくるかのようだ。おそらく、キタエンコは細かな音の扱い等よりは、劇音楽的な場面描写を優先していると思われるが、超優秀な録音のおかげでシンフォニックな楽しみもしっかり残されている点が素晴らしい。
二楽章はひたすらに美しい。木管のソロなどの旋律線を基調としているが、節度を持ったバランスの良いテンポ感のおかげで、押し付けがましくなったり、甘ったるくなったりしておらず、あっさりと透き通った音色が楽しめる。
三楽章の牧歌的で落ち着いた雰囲気は荒れ狂う四楽章への布石としては十分なものだろう。
四楽章はしっかりと鳴らされる低弦の上で、情熱的に盛り上がっていくが、弱音部の扱いも特筆すべきだろう。ここもまたかなりの美しさで、音楽が有機的に繋がっているので20分に及ぶノーカット版楽譜でも退屈する事はない。
少々、残響の乏しいホールだが、おかげで優秀なマルチチャンネル録音が音楽を細部まで捉えているのを楽しめる。キタエンコがOEHMSで始めたチャイコフスキー交響曲全集録音における最初の一枚は、幸先の良いスタートとなったと言って良いと思う。

余談その1
この演奏は一楽章のコーダにおける金管のアタックの後に、タムタムが合いの手を入れている。このタムタムの追加は僕が持っている2種類の楽譜には無いものだが、トスカニーニ、スヴェトラーノフ、シルヴェストリ等も同様の改変を加えているので、そういう楽譜が何処かにあるのかも知れない。
以前、スヴェトラーノフ、フェドセーエフ、ドゥダロヴァ、テミルカーノフが使った救済無しの(自称)原典版は、ゴロヴァノフが作ったという話を海外のフォーラムで見かけたが、もしかしてこの追加も・・・

王様の耳はロバの耳

先日、またしょうもない失敗をしてしまった。
何度か思い返して悶々としているのも何なので、ここで吐き出しておく。


久しぶりに会った親戚「キモメン、活性水素水って知ってる?」
僕「知ってますよ。疑似科学とか、インチキとか言われてるやつですよね」
親戚「それを持ってきたんだけど・・・」
僕「えっ・・・」

なんでこう、僕は考えなしにこういう事を言っちゃうんだろう。
この親戚は厚意でそれを届けに来てくれたというのに。
台無しじゃないか。何を考えているんだ。
穴があったら入りたい。そのまま埋まりたい。埋められてしまいたい。

思ったとしても、知っていたとしても、言ってはいけないことだろう。
すぐに口に出す癖を抑えなくてはいけないと常々、
口に錠をかける意識でやっているのに、うっかりと出てしまう。
なぜ一瞬間を取ったり、考えたりしない。出来ないのか。
やりたくないのか。する為の脳も残って無いのか。
本当に失礼な事をした。ああ、後悔先に立たず。
        
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