広島市中心部の中央通り(中区)に、風俗店などの「無料案内所」が今月中旬出店した。同様の店は隣接する歓楽街の流川・薬研堀地区で増えてきたが、家族連れや買い物客でにぎわうメーン通りへの進出は初めて。地元商店街の経営者からはイメージ悪化を懸念する声が出ている。
案内所は中央通りの東側に面し、新天地交番の北側に出店。大型家電量販店や映画館なども立ち並ぶ通りのほぼ中央にある。
店先には「風俗案内所無料」との電飾看板を置き、「広島総合案内所 飲み屋 居酒屋 つけ麺(めん) お好み焼き 風俗」と書いた看板を掲げる。
店内には飲食店などの広告パネルが張られ、従業員が来店者の希望を聞いて店を紹介。風俗店の希望があれば流川・薬研堀地区の別の案内所を通じて紹介する仕組みだ。主な収入は店からの広告料という。同店関係者は中国新聞の取材に対し「遊び慣れていない人、飲み慣れていない人を呼び込みたいと思っている」と出店の狙いを話す。
広島県警生活環境課によると、同地区の無料案内所は現在、この案内所を含め54店舗。届け出が義務付けられた2006年当時と比べ、30店舗増えた。ある案内所関係者は「飲食店などの数と比べ、過密状態」という。
中央通りは、胡子大祭(えびす講)やとうかさんで歩行者天国になるなど、広島を代表するメーン通りの一つ。通りの店の経営者たちは「景観にふさわしくない。仮に違法行為があると通りのイメージはさらに悪化する」などと話し、警察の監視を要望する。
【写真説明】広島市中心部の中央通りに出店した無料案内所
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