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イラク開戦:「正当性なかった」当時の米国連大使認める

ネグロポンテ氏=草野和彦撮影
ネグロポンテ氏=草野和彦撮影

 【ワシントン草野和彦】イラク戦争開戦時(03年3月)の米国連大使で、後に国務副長官を務めたジョン・ネグロポンテ氏(71)がワシントンで毎日新聞との単独会見に応じた。

 対イラク武力行使容認の国連安全保障理事会決議を欠いたままの開戦について、同氏は「急ぎすぎた」と述べ、幅広い国際社会の支持を得られず、「十分な正当性がなかった」と認めた。

 ネグロポンテ氏は、今月末にイラク駐留米軍の戦闘任務が完了することを踏まえ、会見に応じた。

 米国は武力行使容認決議を得ないまま開戦に踏み切り、「単独行動主義」と非難されたが、同氏は、米国は過去も同様の行動形式をとったことがあると指摘。一方で「私が大統領だったら、(国連による大量破壊兵器)査察にもっと時間を割いただろう」と、ブッシュ前大統領の拙速さを暗に批判した。

 旧フセイン政権崩壊後のイラクは、テロや宗派間抗争が激化。ネグロポンテ氏はブッシュ前政権内には「フセイン政権が崩壊すればすべてうまくいくという、非常に楽観的な想定があった」と指摘した。

 一方でフセイン政権が国連の武器査察に完全に協力しなかったとして、開戦の「合法性」は強調した。同政権は大量破壊兵器の所有・使用の過去があり、ブッシュ前大統領もその存在を信じ、開戦のための情報操作は「なかったと思う」と語った。

 ◇ジョン・ネグロポンテ氏

 60年に米国務省入省。国連大使(01~04年)、イラク大使(04~05年)、初代国家情報長官(05~07年)、国務副長官(07~09年)を歴任。

毎日新聞 2010年8月22日 20時56分(最終更新 8月22日 22時31分)

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