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きょうのコラム「時鐘」 2010年8月23日
学校で新聞を使って教育する運動「NIE」の全国大会は毎年夏に開かれる。今年は熊本市であり記念講演の講師は落語家の桂歌丸さんだった
いつも歴史学者や作家の講演だったから、NIE運動もずいぶんと柔らかくなったとの印象だった。もっとも、参加した教師や新聞記者の側が柔らかくなった分、落語家が「日本語を正しく学ぼう」などと堅い話を一席ぶった 言葉の乱れは国を滅ぼす、言葉はその国の文化だからだと話した。言葉の乱れのひとつに「語尾を上げる」話し方を挙げていた。これは文化人を名乗る著名人にもよくあるケースで、聞き苦しいばかりか知性が疑われる 子どもたちが新聞を使って学ぶ最初の方法は、記事の切り抜きである。これで壁新聞やスクラップ帳を作る。世の中の出来事に関心をもつ入り口である。やがて他人の文章を比較し、自分で文章を書くことにつながる 師匠は「いろはにほへと」を覚える大事さも指摘した。かつて超難関の某私立大で「いろはにほへとを解釈しなさい」との入試問題があったことを思い出した。いい提案だった。歌丸さんに座布団三枚! |