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日印原子力協定:「核実験なら停止」 岡田外相、インドに明言

 【ニューデリー栗田慎一】岡田克也外相は21日、インドを訪問し、ニューデリーでクリシュナ外相と戦略対話を行った。6月末に交渉を開始した原子力協定について、岡田外相は「核軍縮・不拡散の考えが協定の中に盛り込まれるよう努力してほしい」と要請。そのうえで「インドが核実験をすれば協力を停止する」と明言した。経済連携協定(EPA)については、今秋にも予定されるシン首相の訪日に合わせて妥結させることを確認した。

 岡田外相は「日本は唯一の被爆国で、原子力協定が『核なき世界』に反しているとの批判が国内にある。日印協定の交渉開始は、外相として最も困難な決断だった」と述べ、核軍縮・不拡散への努力を要請。インドの核実験モラトリアム(凍結)継続も求めたが、クリシュナ外相は「インドは一方的なモラトリアムを宣言していて、その実績には誇りを持っている」と述べ、他国の干渉には応じない姿勢を示した。一方で「核なき世界」実現へ努力する考えを示し、「目標達成のため、検証可能な枠組みの構築に努めていきたい」と述べた。

 EPAについては、日本からインドへの自動車部品の輸入関税引き下げなどをめぐって協議した。このほか、岡田外相は民間人も参加する形での日印の経済閣僚会議の設置を提案し、クリシュナ外相も歓迎の意を示した。

 国連安保理改革では実現へ向け協力を強化することで一致した。

 これに先立ち岡田外相はシン首相と会談し、核軍縮・不拡散で一層の取り組みを要請した。シン首相は原子力協定の交渉開始を歓迎し、「核なき世界」に向けて日印で協力する考えを示した。

毎日新聞 2010年8月22日 東京朝刊

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