狂ったような今夏の猛暑。京都市内の熱中症患者の搬送は、過去10年間で最多のペースで急増している。65歳以上が全体の約半数を占めていることから、同市消防局は急きょ、高齢者の自宅を訪問して熱中症対策を直接呼び掛けるなど、対策に追われている。【成田有佳】
市消防局によると、過去10年では07年通年の413件が最高だったが、今年は今月18日現在で既に437件。65歳以上が217人を占める。午後8時以降の夜間にも約1割、住居内でも約4割発生しているのが特徴。死者こそ出ていないが、重症者は6人いた。
宇治市でも41人を記録し、これまでにない勢いで急増中という。また、消防庁の統計では、全国で5月末から今月15日までに3万1579人を熱中症で搬送。そのうち132人が亡くなったという。
高齢者に熱中症が多いのは、同じ体重でも若年者に比べて体内の水分量が少ない上、暑さに対する感受性の低下で暑さを自覚しにくいことが原因とされる。
そこで市消防局は今月、防火安全指導に合わせて高齢者を訪問し、熱中症対策を呼び掛け。高齢者の割合が高い東山区の東山消防署は19日、約20世帯を訪れてチラシを配り「クーラーが嫌いな人も多いが、30度を超えたら使ってほしい」と具体的なアドバイスをした。
一人暮らしの福森恭子さん(77)は「こんなに暑い日が続くのは初めてでは。室内にいても熱中症になるそうなので、水分を十分取るよう注意したい」と話していた。
京都地方気象台によると、今年の京都市の猛暑日は20日までで昨年の約3倍。暑さは来週も続く見通しという。
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1、寝る前に水分補給をする
2、枕元に飲み物を置いておく
3、入浴はぬるめで短めに(京都市消防局による)
毎日新聞 2010年8月22日 地方版