2010年6月29日 21時42分 更新:6月29日 21時47分
経営難に陥っていたサッカーのJ2東京ヴは29日、臨時株主総会を開き、崔暢亮会長、渡貫大志社長ら役員3人が辞任し、Jリーグが今季残りの運営を引き継ぐことを了承した。持ち株会社の東京ヴェルディホールディングス(HD)が保有する株はJリーグの子会社に譲渡され、Jリーグの羽生英之事務局長が新社長に就任した。Jリーグがクラブを直接運営するのは初めて。
東京ヴは昨秋、日本テレビが運営から撤退。OBが作った東京ヴHDが経営を引き継いだが、スポンサー料が集められず、資金繰りに行き詰まった。Jリーグは5月の臨時理事会で、今月末までに経営状況が改善されなければ、リーグが資金を投じて運営することを決めていた。Jリーグは今後、不足している運転資金4億6000万円を「公式試合安定開催基金」から投入し、今季残り試合を開催しながら来季以降の引受先を探す。
Jリーグの鬼武健二チェアマンは「安定的に支援してくれる企業を早急に探すことに全力を傾けたい」と語った。一方、退陣した渡貫前社長は「非常に残念だが、資金を集めきれなかった私たちの責任と感じている」と謝罪した。【中村有花】
【メモ】東京ヴェルディ 1969年、日本初のプロサッカークラブ「読売クラブ」として誕生。93年に開幕したJリーグの初代チャンピオンに輝き、翌年も連覇を果たす。98年、読売新聞社、よみうりランドが経営から撤退し、経営主体が日本テレビに。01年にホームタウンを東京へ移転し、08年から「東京ヴェルディ」に呼称を変更。過去リーグ優勝2回、天皇杯優勝5回。05年シーズン17位に終わりJ2に降格。07年にJ2で2位となりJ1に戻るが、1シーズンで再び降格した。過去在籍した選手に三浦知良、ラモス瑠偉、柱谷哲二らがいる。