2010年6月28日 23時24分 更新:6月29日 1時17分
【ヨハネスブルク支局】サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は第18日の28日、決勝トーナメント1回戦の2試合。オランダ(1次リーグE組1位)は、初出場で決勝トーナメントに進んだスロバキア(F組2位)を2-1で降し、4位に入った98年大会以来の8強入りを果たした。5大会連続の準々決勝進出を狙うブラジル(G組1位)は、3位に入った自国開催の62年大会以来のベスト8入りを懸けるチリ(H組2位)との顔合わせ。
第17日の27日は、アルゼンチン(B組1位)がメキシコ(A組2位)を3-1で破り、2大会連続でベスト8に勝ち上がった。メキシコは6大会ぶりの8強進出を逃した。ドイツ(D組1位)はイングランド(C組2位)に4-1で大勝した。
○オランダ2-1スロバキア●
オランダは前半18分、カウンターからロッベンが得点を決めた。加速して右サイドから中に切り込み、左足で決めた。後半39分には、素早いリスタートから最後はスナイダーがけり込んで加点した。スロバキアは終了直前、PKで1点を返したが遅かった。後半22分、ノーマークのビテクが反転しざまに放った左足シュートが、オランダGKの正面を突いたのも痛かった。
役者のそろったオランダの総合力が、スロバキアの勢いを上回った。
太もも裏の故障から復帰し、今大会初先発したロッベンがいきなり見せた。
前半18分、味方がDFラインでボールを持つと、自陣の中ほどから、敵陣に向けて猛然とダッシュ。ロングボールを守備ラインの裏に抜け出て受けると、内に切れ込みながらのドリブルでDF2人を振り切り、3人がスライディングしようとした矢先に左足を強振。グラウンダーのシュートで、ゴール右に突き刺した。
スロバキアのワイス監督が試合前に「ロッベンが出ると出ないでは彼ら(オランダ)のプレーは違ってくる」と警戒する中で、決定力を見せつけた快足FW。その後も後半26分に退くまで、鋭いドリブルから何度もチャンスを作りだした。
1次リーグを3連勝で締めくくったカメルーン戦後、ファンマルウェイク監督は選手たちに「リードを奪った後、だらしなくなった時間があった」と諭したという。
伝統的に攻撃志向の強いオランダは、才能あふれる選手をそろえながら、精神面のもろさからチーム状態を崩すことが多かった過去を持つ。だが今回は指揮官の手綱さばきもあり、堅実な戦い方を続けている。
この日も終盤のスロバキアの攻撃を集中を切らさずにしのぎ、カウンターから1点を追加した。終了間際にPKで1点を許したものの、3大会ぶりのベスト8。「オレンジ軍団」が、悲願の初優勝に向けた階段をまた一つ上がった。