G20サミット:2013年財政赤字半減 宣言に目標盛る

2010年6月28日 11時24分 更新:6月28日 13時38分

27日、トロントで開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議の写真撮影で手を振る各国首脳ら=AP
27日、トロントで開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議の写真撮影で手を振る各国首脳ら=AP

 【トロント坂井隆之】カナダ・トロントで開かれていた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は27日午後(日本時間28日朝)、焦点の財政再建問題について、「先進国は少なくとも13年までに財政赤字を半減させる」との目標を盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。ただ、財政が先進国で最悪の状況にある日本については、財政再建の指針として22日に閣議決定した財政運営戦略を「歓迎する」として、事実上例外扱いを認めた。

 ギリシャの財政危機を引き金とした欧州の信用不安を受けて、サミット議長国のカナダが、13年の財政赤字半減目標の受け入れを各国に求めていた。

 一方、宣言は、世界経済の現状について、失業率が高止まりしていることなどを踏まえ、「深刻な課題が残っており、脆弱(ぜいじゃく)」と指摘。「景気刺激策を続けると同時に成長に配慮した財政再建計画が必要」とも明記し、景気刺激策を重視する米国などにも配慮した。

 また、「為替レートの一段の柔軟性が必要な新興国がある」として、名指しは避けたものの、人民元相場の弾力化を表明した中国に対し、人民元の一段の切り上げを促した。日本やドイツなどの経常黒字国に対しては、より内需を拡大するよう要請した。

 08年の金融危機を教訓とした金融機関の規制改革では、英独仏が金融機関から破綻(はたん)処理に伴う費用を徴収する「銀行税」の導入を提唱したが、宣言は「さまざまな政策手法があり、異なる方法を追求している国もある」として、方針はまとまらなかった。世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)については、10年中としていた妥結を「可能な限り早期」として、目標年限を盛り込まず、事実上年内の妥結を断念した。

 一方、昨年末のコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で数値目標に合意できなかった温室効果ガスの削減目標を巡っては、11月にメキシコ・カンクンで開くCOP16に向け、議論を再構築する意向を示した。

 次回のG20サミットは11月にソウルで開催。来年以降は年1回開催とし、来年はフランスで春に主要8カ国(G8)サミット、11月にG20サミットを開く。

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